議会制民主主義

出典: Jinkawiki

2008年10月22日 (水) 16:53 の版; 最新版を表示
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議会制民主主義は、国民が選出した代表者で構成される議会の討議にもとづいて政治を運営していくことによって、国民の合意による政治という民主主義の理念を実現しようとするものである。議会制民主主義のもとでは、議会は、国民の意思を代表するものとして、政治の中心におかれることになる。対になる概念として直接民主制がある。現在ほとんどの国が「間接民主制」である。

日本国憲法前文は、国民の代表者が権力を行使するものとし、国民は「正当に選挙された国会における代表者を通じて」行動すると述べて、議会制民主主義を採用することを明らかにしている。 議会制民主主義が本当に民主主義として機能するためには、代表者(議員)の構成が、民意を正しく反映するものでなければならない。したがって、国民の意思を可能なかぎり反映できるような選挙制度が要請される。また、議会においては、多数決による決定の前に、少数意見を最大限に尊重した冷静な討議がなされなければならない。

  〈長所〉  ●構成員の限定・実質的な議論の可能性の確保 直接民主制は国民などの構成員が増加すると対象者がそのまま増加することから運用が困難になる。相反する意見が存在する中で実質的な議論を行うためには、議論の参加者を限定することがむしろ望ましい。

 ●衆愚政治の防止 直接民主制だと、構成員個々のエゴが直接政治に反映するため、構成員全体を考えた政治が妨げられる。これを防ぐため、個々のエゴが反映されにくい多数代表の選挙制度で議会を構成し、この議会を中心に政治を行うもの。フランスが採用している。また、現在のドイツでは1930年代にナチスが国民投票・住民投票という形で合法的にヒトラーによる独裁政権の確立や領土の併合を進めたことへの反省から、直接民主制の要素を一切排除している。

 ●政治の専門家の確保 直接民主制だと、議員の人数が国民の人数と等しくなるので、議員に歳費を割り当てる事が出来ない。このため、議員は生計を立てるために何らかの副業を営まければ成らず、複雑な政治課題の調査に専念する事が出来ない。間接民主制なら、議員の数を大幅に減らせるので、給料を支給して政治に専念させることができる。


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