オンブズマン制度

出典: Jinkawiki

2008年11月28日 (金) 16:26 の版; 最新版を表示
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オンブズマンはスウェーデン語の「OMBUDSMAN」が原語であり、代理人などと訳されている。一般には、市民の権利と利益を守る代理人として行政の監視を行う任務を持つ職とされている。1809年にスウェーデンで創設されたオンブズマン制度は、国民と行政のかかわりが増大していく中、1970年代に入ると急速に各国へ普及した。

 オンブズマン制度の意義について、諸説をまとめて定義すると、「オンブズマン制度とは、違法ないし不正な行政活動(行政過誤)に対する国民の苦情申立ての行政救済として、行政審判や裁判等の正式な救済手続以外の手続により、その主宰するオンブズマン(苦情処理裁定者)が中立の立場で、簡易・迅速にしかも低廉の費用で国民の権利利益を護ると共に、行政を監視し、行政の改善の提言を行う機能を有するものである。」ということができる(園部逸夫「オンブズマン法」弘文堂参照 )。

 この場合の行政救済手続は、行政審判手続及び裁判手続と区別して、行政苦情処理手続と呼ばれる。また、行政過誤(Maladministration)とは、「偏見、怠慢、不注意、遅滞、不適格、不適当、悪用、卑劣、恣意的」等(園部、前掲書参照)をいう。

わが国では、まだ国レベルでのオンブズマン制度は存しないが、地方公共団体レベルでは、1990年(平成2年)に川崎市がわが国最初の「市民オンブズマン制度」を導入している。川崎市の導入の経緯は、助役によるリクルート事件が直接の引き金となって市政に対する市民の不信感が生まれ、オンブズマン制度導入の機運が盛り上がり、1989(平成元年)年11月の市長選挙でオンブズマン制度を公約した候補が当選したことにより、導入されたものである。


参考: 長谷川 博

・オンブズマン制度について

  人間科学大事典

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