ホームスクール

出典: Jinkawiki

2008年12月18日 (木) 21:23 の版; 最新版を表示
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ホームスクール

ホームスクールとは、学校やフリースクールに通う方法ではなく家庭をベースにして学び育っていく教育方法である、「ホームスクーリング」の訳語である。「ホームスクーリング」のほかに「ホームエデュケーション」とも言う。ホームスクール、ホームエデュケーションとは、家庭を拠点に、本人の興味や意欲を大切にしながら、本人の個性や人格を尊重し、家庭や地域の教育資源を活用して、親が子どもの成長に責任を持ってやっていく方法である。ホームスクーリング、ホームエデュケーション(以下ホームスクール)は多様であり、学校の教科書や参考書を使って、親が先生のかわりになって時間割り通りに進めることも、あるいはまったく自由に、子どものやりたいように過ごさせることもある。 学校教育によって、子ども本人が生き生きと、幸せに暮らしている場合は学校を活用するのがよいが、しかし、子どもによっては、家で学び育つ方法が一番合っているということもある。ホームスクールは、多様な教育のあり方のひとつであるといえる。

ホームスクールの良さについて

①自分の時間が持てる

学校では時間割があり、また、朝の集会、昼食、掃除などの時間が決められている。しかも一緒に行動しなくてはならないことが大部分である。それが悪い方法とはいえないが、子どもにとっては押し付けや、プレッシャーとなったり、無意味な時間をひたすらガマンしなければならない場合もある。ホームスクールでは、他の家族との関係などから全く自分本位というわけではないが、学校の時間にしばられず、自分のやりたいように時間を使うことができる。

②空間が自由に使える

学校という器の中には、普通の教室以外にもパソコン室、音楽室、体育館、校庭など様々な体験・学習ができる施設がある、また、映画鑑賞、修学旅行、仕事体験など、学校の外に出る機会もある。しかし、それらは学校が指導計画に位置付けた場合のみで、時々のことであるし、安全対策の強まりからますます少なくなっている。これに対し、ホームスクールは家を中心としながらも、どこにでも出かけて学んだり、体験することができる。もちろん、年齢やその子の判断力、行動力によって親は許可できない場合もあれば、親が同伴することも考える必要も生じるだろうが、空間の活用が自由となる。

③子供の興味・関心を大事にし個性を伸ばす

子どもの持っている好奇心や興味、関心を大切にして知識を深めたり、技術を身につけたり、自然や人間、社会について考えたりしていく方法は、押しつけるよりはるかにすぐれたことである。学校では、そのような学習をしようと工夫はしても、あらかじめ教える内容が決まっていると、興味、関心がなくても教えるし、またあっても一定時間で終了しなければならない。ホームスクールでは、その子の興味・関心からスタートし、深まれば、どんどん探究していける。時間がたっぷりあるので、好きなこと、興味のあることはいくらでも、また繰り返し取り組むことができ、絵が好きな子は絵がとびきりうまくなったり、ピアノが好きな子はピアノの演奏が抜群にうまくなる。個性を伸ばしやすいのがホームスクールといえる。

④自分のやり方で進められる

家庭で、何かを学ぼうとする場合、インターネット、本、テレビ、実際の体験、家族に聞く、調査に出かける、図書館、美術館を活用するなど、さまざまに考えられる。また、学びの案内や教えてくれる人がほしい場合は、予備校、学習塾、家庭教師などを活用することも、自分のやり方のひとつといえる。人はそれぞれ歩くスピードが違うように、学んだり、体験したり、考えたりするスピードが違う。学校は一定の速度が要求されるため、ゆっくりな子は付いていけず、早くこなす子は退屈してしまう。ホームスクールでは、その子のペースで、休みも入れつつ、取り組むことができる。ほかの子を気にしなくなり、責められたりもしないので、ストレスが違うといえる。

ホームスクールに対する不安について

子供には学校に行く義務があり、法律違反になるのではないかと一般的に思われがちであるが、まず、義務教育の「義務」とは、子どもの学ぶ権利を保障する大人の側の義務の意味であって、こどもが学校へ行く義務ではない。親の就労義務も、子どもの学ぶ権利を親として援助する義務であり、登校を強制することが子どもの心を傷つけるような場合に、むりやり学校へ行かせる義務ではない。ホームスクールは本来、不登校の子どもにやむを得ず行うというものではなく、教育・学習の方法のひとつと考えるべきである。 また、学校にいかず、ホームスクールによって社会性や、学力が育つのかという意見もあるが、実際に学校やフリースクールに行かず、家庭を中心にして成長してきた人たちが社会に出て活躍している実例があり、社会人となるに支障はないことが語られている。学力はつくのかという問題に対して考えてみると、学校に通っていれば学校の授業がすべて身に付いているのかというとそういうわけでもなく、わからない子はわからないまま授業が進んでしまっていることもある。学校さえ行っていれば学力がつくわけではない。ホームスクールのほうが自分のペースに合わせて学べるので、わからなければ立ち止まることができ、理解が進んでいるところは、学校のように、他の人が分かるまで足踏みしなくていいという面もある。ホームスクールでやっていても、現在のシステムで、制度的には、最高学歴まで取得できるし、実際に大学、大学院、専門学校、外国留学へと進学した例がたくさんあるという。


学校教育とホームスクールを比べて、ホームスクールの良さを述べていったが、学校教育が悪いと主張しているわけではない。学校教育も、ホームスクールもそれぞれに良さがあると考える。今まで、子どもの教育というと学校教育というイメージが強かったが、これからは新たな選択肢としてホームスクールが世界で認められていくだろう。子どもにとってどのような教育が良いのか、親は子どもの最善の利益を考えていくことが大切だと考える。

参考文献:ホームエデュケーションのすすめ 東京シューレ

     子どもは家庭でじゅうぶん育つ  東京シューレ


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