プロジェクトメソッド
出典: Jinkawiki
←前の版 | 次の版→
1918 年,キルパトリック(Kilpatrick, W. H.)が,論文「プロジェクト・メソッド」を発表し,
子どもの自発的活動を中心とするカリキュラムを提唱した。
これはデューイの経験主義教育理論を具体化した方法である。
1920年代のアメリカにおける進歩主義の代表的なほほ胡乱であり、日本にも影響を与えた。
この方法では学習の最初に目的を設定し、実行計画を立て実施、最後に評価をするという4つの過程を経験する。
(「目的-立案-遂行-評価」という4段階の教授法としても考えることができる。)
「目的的活動」(purposeful activity)を中心とするプロジェクト・メソッドでは,学習結果である
知的理解や技能の獲得よりも,活動を通して得られる「付随学習」( concomitantlearning)によって,
子どもの性格・態度・道徳を形成することに重点が置かれる。
さらに,このような子どもの活動を中心とする学校のカリキュラムは,キルパトリックによれば,
子どもを彼らが置かれている環境に適応させるために,
それぞれの環境の固有性が重視されるべきである。
つまり,農村学校には,子どもが農村の環境に適応できるカリキュラムを設け,
小都市・大都市の学校には,それぞれ異なるカリキュラムを設けることになる。
これは彼の『方法の基礎』(Foundations ofMethod, 1925)の中でも述べられている。
子ども自らが、学習の目標を立て、その遂行に向けて計画を立てるものであるから教師は
適切なテーマや問題の設定がなされているかを判断しなければならない。また、計画や活動に必要な条件を
整えるとともに、時として、学習者の相談に応ずるなどの支援も行う。
このプロジェクト・メソッドの一例として、伊那小の活動が挙げられると思う。
伊那小の活動は、何か生き物を育てていく中で、えさの量を計算する場合、
算数を取り入れるなど、さまざまな教科を応用的に学ぶ学習方法であるだろう。
このように、プロジェクト・メソッドは教科に区分された学習ではなく、
児童などの生活経験を基盤とした学習方法であり、基礎・基本を学んだ後に、総合・応用・発展
させる時期に取り入れると学習効果が期待できる。