フランス革命3

出典: Jinkawiki

2009年8月8日 (土) 23:27 の版; 最新版を表示
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目次

フランス革命の構造

1789年~1799年にかけて、イギリス市民革命とアメリカ独立革命についで起こった市民革命である。有力な絶対王政の国であるフランスで、旧制度(アンシャン=レジーム)を覆すほどの革命であり、その影響は全ヨーロッパに及び、近代社会成立への転換点となった。

革命以前の国民は聖職者が第一身分で、貴族が第二身分、平民が第三身分と区分された。人口の約9割は第三身分であったが、第一身分・第二身分には広大な土地と、免税などの特権があり、すべての重要な官職をにぎっていた。各身分の中にも貧富の差はあり、特に第三身分では、大部分をしめる農民が領主に納める地代や税の負担に苦しんでいた。だがその一方、商工業者などの有産市民層は次第に財産を貯えて実力を向上させ、その実力に見合わない待遇に不満を感じていた。そのようなときに、啓蒙思想が広まり、1789年初頭、シェイエスが『第三身分とは何か』という冊子で、第三身分の権利を主張した。

フランス革命がおこるきっかけとなったのは、王政に反抗する貴族であったが、上記のように不満を抱いている有産市民層が旧制度を廃棄し、結果、その政治的発言を確立した。農民・都市民衆は旧制度廃棄に重要な役割を果たしたが、同時に、有産市民層が推し進めた資本主義経済に反対した。

このようにフランス革命は貴族・ブルジョワ(有産市民)・農民・都市民衆という四つの社会層がからみあっていたため、複雑な経過をたどった。


革命の第一段階

ルイ16世はフランスの国家財政のゆきづまりを何とかしようと、1615年以来開かれていなかった三部会が招集されることとなった。1789年5月ヴェルサイユで開かれたが、議決方法をめぐり、特権身分と第三身分が対立した。6月、第三身分の議員たちは真に国民を代表する国民議会は我々だと宣言し、憲法制定までは解散しないことを誓った。(球戯場の誓い)この動きを国王も譲歩し認めたが、まもなく保守的な貴族らと議会を弾圧しようとした。このころ、パリの人々はパンの値上がりに苦しんでいてこれに反発しようと、圧政の象徴とされたバスティーユ牢獄を7月14日に襲撃した。このあと、全国的に農民蜂起がおこり、領主の館が襲撃された。

国民議会は8月4日に自由主義的貴族の提案で封建的特権の廃止を決定し、領主裁判権や教会への十分の一税が無償で廃止にされた。また26日に人権宣言を採択した。この宣言は近代市民社会の原理を主張するものだった。10月初頭に、女性を先頭にパリの人々はヴェルサイユに行進し、改革に否定的な王家をパリに移転させた。国民議会もパリに移り、1790年に全国の行政区を改め、教会財産を没収し、ギルドを廃止して営業の自由を確立し、度量衡統一の方向を示すなどの改革を行った。1791年9月、一院制の立憲君主制を定め、選挙権を有産市民に限定した憲法が発布され、国民議会は解散となった。このとき、国王はヴァレアンヌ逃亡事件で信頼を失っていた。


革命の第二段階

1790年10月に立法議会が開かれた。ここでは、革命のこれ以上の進行を望まない立憲君主派と、共和政を主張するジロンド派が対立した。国内外の反革命の動きが活発になると、共和派の勢力が強くなり、92年にジロンド派が政権をにぎった。そこで革命に敵対的なオーストリアに宣戦した。しかし、軍隊の士官には多数の王党派が含まれており戦意に欠け、オーストリア・プロイセン連合軍がフランス国内に侵入する事態となった。この危機の際に全国から義勇軍が集まり、1792年8月に王権を停止させた。(8月10日事件)


革命の第三段階

1792年9月に新たに男性普通選挙による国民公会が成立して、王権の廃止、共和政の樹立が宣言された(第一共和政)。国民公会では、急進共和主義のジャコバン派が力を増し、1793年1月にルイ16世を処刑した。これを機にイギリス首相ピットはフランスと断交し、またフランス軍がベルギー地方に侵入したのに対抗して、第一回対仏大同盟をつくった。これにより、フランスは全ヨーロッパを敵にまわすことになり、国内でも王党派の指揮する農民反乱が広がった。ジャコバン派はこの国内外の危機を乗り切ろうと、1793年6月にジロンド派を議会から追放し、ロベスピエールを中心とするジャコバン派政権は、強大な権力を握る公安委員会を中心に徴兵制の実施、革命暦の制定、理性崇拝の宗教を創始するなど急進的な施策を強行した。


革命の第四段階

ジャコバン派政権が急進的な施策を強行する一方で、反対派を多数処刑する、いわゆる恐怖政治を行った。1793年6月24日に1793年憲法(ジャコバン憲法)が決議され、封建地代の無償も確実となった。  


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