発達障害

出典: Jinkawiki

2010年1月24日 (日) 22:38 の版; 最新版を表示
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発達障害とは

 中枢神経系の高次機能の障害が推測され発達期(18歳くらいまで)に生じる生活や学習などに困難さを示すものをいう。発達障害は一般的に、

(1)全般的な認知機能の障害(知的障害) (2)社会性の障害(自閉症を中心とする広汎性発達障害) (3)特定の発達の側面のみが限定的に障害される、学習の障害などの部分的障害(特異的発達障害、LD) (4)注意を中心とする行動の障害(ADHD)

に大きく分類される。医学領域でADHDは行動障害に分類されているが、発達障害の枠組みに入れることの方が多い。

定義 と概念

 現在使用されている診断基準にアメリカ精神医学会(APA)のDSM-IV-TR(診断と統計マニュアル第4版テキスト改訂版:2000)と世界保健機関(WHO)のICD-10(国際疾病分類規準第10版)がある。

アメリカ精神医学会(APA)の考え方

 精神医学の診断分類体系の中で「発達障害」が明確な形で取り上げられたのは、1980年に公刊されたアメリカ精神医学会の「精神障害の診断の統計のためのマニュアル・第3版(DSM-Ⅲ」が始めてである。DSM-Ⅲでは、知的障害として精神遅滞を、発達障害として広汎性発達障害と特異的発達障害をまとめたが、1987年の改訂版(DSM-Ⅲ-R)では、「発達障害」という新しい項目のもとに包括された。そして、精神遅滞では「全般的な遅れ」が、PDD(自閉症など)では「広汎な領域における発達の質的な歪み」が、そしてSDDでは「特定の技能領域の獲得の遅れまたは失敗」が特徴であると記載された。発達障害は慢性の経過をとり、障害のいくつかの徴候は固定した形で成人期まで持続するが、軽症例では適応障害が改善されることもある。

 その後、1994年にAPAはWHOのICD-10との互換性を考慮して、第4版(DSM-Ⅳ)をまとめ、2000年にはDSM-Ⅳの診断基準が一部変更されDSM-Ⅳ-Text Revision(DSM-Ⅳ-TR)が公刊されたが、発達障害関連の診断基準についての大幅な修正はない。

世界保健機関(WHO)の考え方

 1992年に公刊されたWHOの「国際疾病分類・第10版(ICD-10)」では、精神遅滞にはあらゆるタイプの精神遅滞が合併し得るし、症状の発現には社会的および文化的な影響が関与していることから「精神遅滞」を独立的に扱い、「心理的発達の障害」に共通するものとして次の3項目をあげている。

(1)つねに乳児期か児童期の発症であること (2)中枢神経系の生物学的成熟に強く関係する機能の発達の障害あるいは遅れであること (3)多くの精神障害を特徴づける傾向のある軽快や再発のない安定した経過であること

 さらに、発達障害について次のように述べている。

(1)障害された機能には言語・視空間機能および協調運動が含まれ、成長するにつれてこれらの障害は次第に軽快するのが特徴である。 (2)通常、遅滞や障害は、その発現が明確にとらえられるよりもずっと前から存在しており、正常な発達期間を経た後に発症することはない。 (3)同様の障害あるいは類似した障害が家族歴に認められることが多く、遺伝的要因が関与していると考えられている。 (4)環境要因が発達障害の症状形成過程に影響していることはしばしば認められるが、発症の原因となることはない。 (5)多くの症例では病因は不明で、それぞれの発達障害の教会が重なり合ったり、不明瞭なことが多い。


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