信号機

出典: Jinkawiki

2010年2月8日 (月) 00:56 の版; 最新版を表示
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目次

信号機の役割

 車が合流・分流あるいは交差し、これに歩行者も加わり複雑な交通現象が発生するのが交差点である。では、もし信号機がなければどうなるだろうか。さまざまな方向から走行する車であふれ、歩行者はその合間をぬって進もうとし、重大な事故や渋滞が発生しやすくなるであろう。いや、ほぼ100%の確率で死者が出ることになるのである。そうならないためにも、交通事故の防止とスムーズな走行を確保する上で大切な役割を果たしていのが信号機なのである。                       

役割その①

~交通事故の防止~

信号機によって方向が違う交通を時間的に分離し秩序づけることで、車両同士、あるいは車両と歩行者との衝突や行き違いする現象が避けられ、交通事故の防止に繋がる。                        

役割その②

~車の流れをスムーズに~

信号機は交通量に応じた適切な信号タイミングで動き、車の流れをスムーズにすることができる。             

役割その③

~交通環境の改善~

流れがスムーズになれば車の停まる回数が少なくなり、安定した交通の流れが作り出される。したがって、排気ガスや騒音などの交通公害も減少することになる。                     


歴史

日本で最初の設置場所は東京の日比谷交差点であるという。やはり今も昔も東京の日比谷は交通量が多く、秩序を保つために早急に設置したのだろうと考えられる。 大正半ばから昭和初期にかけて、交通整理は、警察官の「挙手の合図」や「信号標板」等により行われていた。

我が国最初の自動交通信号機は、米国製で、灯器を交差点の中央に設置する、いわゆる中央柱式であり、昭和5年3月に東京の日比谷交差点に設置された。当時、電車以外の通行者は色灯による交通信号を理解せず、なかなか信号に従わない状況であった。このため、交差点の4隅に多数の警察官を連日配置して周知に努め、さらに、信号の意味を一見して分からせるため、青灯に「ススメ」、黄灯に「チウイ」、赤灯に「トマレ」と文字を書くなどして指導したものの、自動信号が広く浸透するには相当の日数を要したのであった。参考:全国の信号機の基数=187,393基(平成16年3月末現在)

激増する交通需要に対応するため、車両感知器を用いて実際の交通量に応じた信号制御を実施する感応式信号機の開発が進められ、昭和38年3月、東京と横浜の交差点に感応式信号機が相次いで設置された。 参考:全国の感応式信号機の基数=13,749基(平成16年3月末現在)

自動車交通量の多い幹線道路に接する小学校の児童の安全を確保するため、児童が押ボタンを押して幹線道路の交通を止め、横断方向を青信号とする信号機が開発され、昭和9年6月、東京の第一京浜国道に設置された。この信号機が現在の押ボタン式信号機の先駆けとなった。 参考:全国の押ボタン式信号機の基数=27,897基(平成16年3月末現在)

              

交通量の多い幹線道路や中小の道路が複雑に交差する都市の道路交通を効率よく管理するため、昭和41年4月、東京の銀座地区において、電子機器を使用した中央制御による面的な交通整理を試験的に実施した。 参考:全国の集中制御化された信号機の基数=61,935基(平成16年3月末現在)

信号灯器に使用できる輝度の青色LEDが開発されたことから、平成6年10月、愛知県と徳島県においてLED式信号灯器が設置、運用された。LED式信号灯器は、反射鏡を使用せず、光源であるLED素子そのものが発色・発光するため、電球式のものに比べて光のムラが少なく、高い視認性を有しているほか、電球式と異なり、着色レンズを通じて反射鏡に太陽光が当たることであたかも信号が点灯しているように見える疑似点灯現象も発生しない。また、消費電力についても電球式の4分の1以下であり、電気料金の低減だけでなく地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出削減にも役立っている。さらに、寿命についても、電球式が約半年から1年程度であるのに対し、LED式の寿命はおおむね6年から8年と見込まれており、コストの縮減や電球交換作業に伴う交通流の阻害を抑止する観点からも優れた性能を有している。これらのことから、今後も引き続きLED式信号灯器の整備を推進することとしている。 参考:全国のLED化された信号灯器の灯数=車灯:61,634灯,歩灯:15,014灯(平成16年3月末現在)

    

その他

Q.なんで信号は赤・青・黄? これはおそらく誰しも一度は疑問に感じたことがあると思う。しらべてみると、はっきりしたことは分かないらしいのだが、今から約160年前に、イギリスの鉄道会社が「信号として見やすい色は何か」という実験をしたところ、白、赤、緑、青の順で識別しやすいことが分かり、鉄道の信号に赤(危険)と白(安全)の油灯を採用したのが信号の始まりと言われている。しかし、最も識別しやすいと言われた白色の灯火も、電灯の発達により街路灯と紛らわしくなって白色から緑色に替えられるようになった。また、世界初の電気式信号機は大正7年に米国のニューヨーク市5番街に設置されたが、その時の信号機の色はすでに赤・黄・緑を使用していたという。

Q.信号は、青色?それとも緑色? これも小さい頃よく思っていたのだが、なぜどう見ても緑色の信号なのに“青信号”というのか不思議でならなかった。調べてみると、昭和5年に日本に初めて信号機がついたときは、法令的に緑色信号と呼んでいたという。しかし、一般の人々の間では、色の三原色(赤・青・黄)のひとつである青色が誰にでも理解されやすく、また、日本語で表す青の範囲はとても広い(例えば、植物の緑のものを青葉や青物などと呼ぶ)など緑色の信号も青信号と呼ばれていったという。こうして一般に青信号との呼び名が定着したことから、遅れて昭和22年には法令でも青信号と呼ぶようになった。信号の色も改良が進められ、昭和48年以降に作られた信号の灯器は呼び名のとおり青に改められているという。

参考:http://www.npa.go.jp/kouhousi/police-50th/history/signaler/index.html

http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kouhoushi/no13/koho13.htm#singo

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