バーンアウト
出典: Jinkawiki
もともと、バーンアウト(burnout)という言葉はモーターや電球が“焼き切れる”という意味からきている。 バーンアウトの概念や測定に関しては、マスラック(Maslach,C)らの研究が著名である。マスラックらに よれば、バーンアウトとは、「極度の心身の疲労と感情の枯渇を示す症候群」(1967)であり、「人間を 相手とする仕事に従事している人たちに生じる、情緒的消耗感、脱人格化、および個人的達成感の減退を ともなう症候群」である、としている(Maslach&Jackson、1986)。バーンアウトは、職場の人間関係や 過重なストレッサーなどによって生ずるストレス反応・症状の一種と考えることができる。
バーンアウトの主な症状は上記した3つである。情緒的消耗とは、心身とも疲れ果てて何もしたくない、
仕事をやめたいという感情・気分であり、バーンアウトの中心的症状である。脱人格化は、患者・ クライエント・同僚などへの配慮、思いやりがなくなり、敵意や無関心、拒否感が高まり、温かみのある 関わりができなくなることである。達成感の減退とは、するべき仕事をやったという達成感が実感できなく なったり、仕事の喜びや楽しさが感じられなくなったりすることである。この3つの症状の中でも、情緒的 消耗がバーンアウトの中核症状であり、その進行につれて脱人格化や個人的達成感の減退が起こってくる。
こうした症状が続くと、様々な症状や問題が発生したりするし、さらに神経症やうつ病、心身症などが生じる
ことがある。
参考文献 健康心理アセスメント概論 日本健康心理学会編 2002