アメリカの教育委員会
出典: Jinkawiki
アメリカの教育長たちが、教育をしたり説得をするためになしてきた努力としての勧告
●カバリーの教育委員会論
1916年
教育委員会がいかに選ばれ、いかに組織されるべきか、また、教育委員会はいかに機能すべきかについて一連の勧告をしている。
教育委員会の規模縮小
・教育委員会は5~7人が最善である。 ・小さい教育委員会は、大きいものよりもあらゆる点で効果的で、能率的であるということを明らかにし、しかも疑う余地がないとした。
教育委員を市の各区からではなく、全市一区として選挙で選ばれるべき
・区代表制の継続は、学校統制における個人的・政治的諸悪を温存してしまう。 ・貧しい区からの代表者を排除するため
教育委員の無報酬での奉仕
・専門職員の仕事に干渉したり、やり直しをしたりしないならば、教育委員がサラリーを稼ぐことが出来るほどの仕事がない。
学校の経営を職業的専門家たちに引き渡す人々から構成
・教育委員会は、立法団体として行動すべきで、学校の実際的な運営などの執行機能は、教育長とそのスタッフに譲るべき
●カウンツの教育委員会論
1927年
・教育行政の指導者たちが、長年指摘されてきたこととして、市教育委員は圧倒的に実業家と専門職の人々であること、労働階級や少数民族グループはほとんど代表者を持っていないことを発見
・上流階級からの教育委員は下層階級の必要性や関心を理解できないとした。
・教育委員会の廃止とまでは言及しなかったが、地域社会におけるいろいろなグループや見解が、適性に代表されるように、何らかの比例代表制が導入されるべきと主張
●ニューロンの教育委員会論
1934年
ニューロン以前に、教育委員会は廃止すべきとしたジャッドの意見に同意はしなかったが、現在設置されている地域教育委員会には多くの改善点がある。とした。
・教育委員会は立法機能を持つべきであるが、執行機能を持つべきではない。
・教育の技術的側面を改善するために、学校行政家たちが、企業管理者や技術者としてではなく、教育政治家として機能することが出来るように、より立派で幅の広い教育プログラムを主張。
・教育委員会は自由主義的な社会的見解と最高の性格を持った男女から構成されるべき。
・以上の目的を達成するために、全ての地域社会に、あらゆる「階級と利害関係」を代表する委員会を設置して、その委員会が教育委員の候補者を推薦すべき。
●ストレイヤーの教育委員会論
1938年
・学校の地方的管理の信頼は、民主的伝統の一部分である、ときっぱり述べ、その後で、教育委員会は、学校制度にとって必要なサービスの全てに全責任を負うべき、とした。 ・教育委員会は、専門家たちの助言によってその行動を管理されるべきだが、学校は住民に所属しているため、最終的な権威は素人教育委員会に置かなければならない。 ・カバリーの理論を繰り返した。……教育委員会は小さいものであるべきこと、任命制ではなく、選挙で選ばれるべきこと、派閥政治や市政から離されているべきこと、常設委員会ではなく全体委員として機能すべきこと、立法機関として奉仕すべきであって、執行機能を教育長とその職員たちに委譲すべきこと、教育委員は報酬なしに奉仕すべきこと
・教育委員会に受け入れられなかった勧告
①教師たちは教育政策の策定に発言力を持つべきであり、しかも、その参加は行政によって与えられる恩恵としてではなく、権利と義務として考えられるべきである。
②教育委員会は住民と緊密な接触を保つべきであり、たとえ小さな少数派であっても、その主張を聞くことが大切である。