国の借金
出典: Jinkawiki
財務省は、2010年3月末の国債や政府短期証券などの合計である、いわゆる国の借金が882兆9235億円と過去最高となったと同年5月に発表した。経済環境の悪化により税収入が減り、景気対策の財源調達のために国債を大量に発行した結果と見られる。 国の借金は09年3月末比で36兆4265億円の増加となった。国民1人あたりの借金は、単純計算で約693万円となる。10年度予算は、当初予算ベースで過去最大となる44兆円の国債を発行する予定であり、11年3月末には国の借金は約973兆円までにふくらむと見られている。
「国の借金」とは、国債や借入金、政府短期証券を合わせた総額のことであるが、10年3月末現在で「国の借金」のは、過去最大の882兆9235億円になったことが、同年5月11日に財務省が発表した「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」で明らかになった。
財務省の発表によると「国の借金」の総額は、前年同月末と比べて36兆4265億円増加したが、これを4月1日時点の推計人口1億2739万人で計算すると、国民1人当たりの借金は約693万円となる。これには、08年9月のリーマン・ブラザースの破たんを契機に起きたリーマン・ショック後の景気悪化による経済対策の実施や、大幅な税収減を補う目的で発行された新規国債が大きく影響したと見られる。
国債:720兆4890億円で、前年と比べて40兆408億円増。このうち普通国債は593兆9717億円で、前年比48兆360億円増加した。
借入金:56兆4063億円で、1兆1598億円の減。
政府短期証券:2兆4545億円減って、106兆281億円となった。
10年度末には国の借金は973兆1625億円と、1000兆円に迫る見込みとなっている。償還期限のきた国債の償還のために、さらに国債を発行するという悪循環によって残高が増えたものと見られる。国債の発行は本来、公共事業などの財源に充てる場合の建設国債に限り認められているものだが、特例法によって、人件費などの政策経費に充てるなど、一般会計の歳入不足を補うために発行される特例公債の発行が認められている。これがいわゆる赤字国債である。
財務省の計算によると、11年度以降に世界経済が順調に回復すると仮定しても、新規国債の発行額は過去最大となる10年度の44兆3000億円から13年度には55兆3000億円にまで膨らむと見られ、根本的な経済対策が求められている。
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