シエラレオネ共和国
出典: Jinkawiki
シエラレオネ共和国
アフリカ大陸、西アフリカ西部、大西洋岸に位置する共和国。 北にギニア、南東にリベリアと国境を接する。
面積:71.740平方キロメートル
人口:約600万人(2008年 UNFPA)
首都:フリータウン
民族:メンデ族、テムネ族、リンパ族、クレオール(黒人と白人との混血)
言語:英語(公用語)、メンデ語、テムネ語他
宗教:イスラム教60%、キリスト教10%、アニミズム信仰30%
産業:鉱業(ダイヤモンド等)、農業(コーヒー、ココア)
内戦の背景
シエラレオネはもともと鉱物資源が豊富で特にダイヤモンドの世界有数の埋蔵国でもあり、資源国家としては豊かな国である。しかしながら政府は国民の生活向上のために資源を利用する政策を取らず、ダイヤモンドの利益はすべて戦争(内戦)に費やされたため、国民の生活水準は世界最低レベルとなっている。 貧困にあえぐ国民、特に将来に希望をもてない若者は反政府勢力を支持し、内戦は泥沼化し、貧困からの脱却への道筋は遠のいた。 内戦のため政府がダイヤモンドの利益を戦争に費やすことが、反政府組織の反感となり、さらに内戦の泥沼化を生み出す負のスパイラルとなっている。 この内戦は一方で、ダイヤモンドの大消費地先進国が一因となっている面もあり、このことから、日本も間接的ではあるが全く無関係のこととは言い切れない立場であるいえる。
血塗られたダイヤ
シエラレオネのダイヤ産出量は世界第10位である。また、その品質は非常によく採掘も容易である。そのため伝統的に非合法な採掘と密輸が横行し、現在ほぼ100%が密輸されている。
最大の内戦の犠牲者
反政府ゲリラは子どもを誘拐し強制的に徴募して、子どもを兵士に仕立てあげた。8歳~10歳の少年兵士も珍しくない。少年兵士は偏った教育や洗脳により、ほとんどの少年兵士は一般市民を殺害した経験があり、殺人に対する罪的意識も欠落している。
少年を兵士に仕立て上げる手法としてゲリラは、反政府教育を行っている。洗脳後には両親を殺害を命じたり、隣人の手足を切断するように強要したりもする。 また、恐怖心を抱かないようにするための手段として麻薬を与えたりもしている。そのため少年兵の大多数は麻薬中毒者になってしまっている。 例え、ゲリラ組織から脱走できたとしても、故郷の村の襲撃に加わったことから故郷の村に戻れず、難民キャンプに逃げ込むことになる。 また、難民キャンプにたどり着けても、過去に殺した人の友人や家族がキャンプで暮らしている場合もあり、仕返を恐れ、常に生命の危険にさらされる過酷な状況に追い込まれている。
飢餓と病気
同国は深刻な食糧不足に陥っている。原因は内戦の戦火で畑は焼かれ、殺戮により作物を作る人がいなくなり、蓄えは略奪され、種籾まで失っているからである。 国連世界食糧機構(WFP)やカトリック援助団体カリタスは稲作のための種籾援助もしている。しかし、せっかく栽培しても収穫時に略奪されない保証はない。 他方、飢えや戦火で死んだ人の他に、薮などに逃れて病死した人々も無数で、特に5才以下の子供の死亡は顕著である。世界保健機構(WHO)によれば、シエラレオネ人の1999年度平均寿命は世界最短の26才だった。 世界の平均寿命は64.5才で、最長は日本の74.5才。
参考
活動報告「シエラレオネ~忘れられた内戦」 http://www.jca.apc.org/unicefclub/unitopia/2002/Sierra.htm
外務省:シエラレオネ共和国 http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/s_leone/data.html
シエラレオネ内戦から生じた問題 http://tewokas.org/02sierraleone/02naisenmondai.html