フレネ教育6

出典: Jinkawiki

2012年2月11日 (土) 04:52 の版; 最新版を表示
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フレネの教育法

 フレネは、戦前・戦後を通じ一貫して、生活と教育を結びつけることを追求し、生活綴り方教育運動にも似ている学校印刷所運動を基礎にして、多くの学校技術を開発した。彼はやる気をなくした子どもたちの現状を目の当たりにして、「子どもの生活、興味、自由な表現」から出発し、印刷機や様々な道具、手仕事を導入して芸術的表現、知的学習、個別教育、協同学習、協同的人格の育成を図る、フレネ教育を創始した。やがて、理性的共同体における人格の自己形成を目的とした教育学を、学習材と教育技術の土台の上に建設することを主張した。そして、生活を観察し、表現し批評し合うなかで生まれる興味の複合の探究のための学習文庫や協同学習カード、計算や読み書きのためのカードを協同組合方式によって開発した。これらの学習材と学校文集や学校間通信などの教育技術の裏付けをともなって教科書による一斉授業の廃止を提唱し、仕事を基礎とした個性化と協同化の2大原理による実践を組織した。このようなフレネの試みは、彼が亡くなった後も「現代学校運動」として国際的に発展を続けている。


フレネ学校

 フレネ学校では、異年齢の子どもが共に学び合う。これは、異年齢の子どもたちが同じクラスで学べば、年長の子どもが年下の子どもに気を配るようになるなど、互いに思いやる気持ちが自然と生まれるためである。また、3歳から子どもが表現したいと思ったことを文章に書いて表すということを行う。フレネ教育の柱は「作文」を書き、それを「印刷」するということであるが、文章に表すことで、自分で書いたものが印刷され、他人に読まれる喜びから、自分の思いをきちんと表現しようという意欲を湧かせることが目的である。また、このような学習は活動計画表に沿って行われる。子どもたちは,自由作文や詩の朗読、文法の説明のとき以外は、自分で決めた活動計画表にそって自分のペースで学習する。毎日、目標通りに進んだかどうか、計画表に記入することで自分の学習を自分で管理するのである。評価については、定期的に子ども自身がみんなの前で自己評価を示し、みんなで話し合って最終の評価を決める。このように、話し合いの機会を設けてお互いの考えを伝え合うことも特徴の一つである。毎日の「朝の会」「帰りの会」「コンフェランス」(親子の研究発表会)、協同組合の集会(学級・全校集会)など、フレネ学校には話し合いの機会がたくさんあり、活発に意見交換がなされている。こうした話し合いの場が、子どもたちの豊かな表現力を養うのである。また、教師たちも子どもたちが率直に発言し、表現できるよう、子どもたち一人ひとりを尊重する姿勢を大切にしている。これによって、お互いのよさを認め合う関係ができ、子どもたちは自分の考えを素直に表現することができるのである。

日本におけるフレネ教育

 日本においては、1983年に「フレネ教育研究会」が設立され、フレネ教育の研究と研修が行われた。全国の一部の公立や私立の学校では、普段の授業の中に「自由作文」や「手仕事」などのフレネの学校技術を取り入れた実践が行なわれている。埼玉県狭山市の「けやの森学園」、東京都新宿区の「ジャパンフレネ」、大阪府箕面市の「箕面こどもの森学園」など、フレネ教育を取り入れた私立やNPO法人の幼稚園、学校もある。


参考 http://www.fureai.or.jp/~katsumi/paper/html/Part1-Chap3.htm#    http://altjp.net/classification/article/91


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