ニューカマーの学生
出典: Jinkawiki
「ニューカマー」とは、一般的に1970年代以降に日本に移住することになった人々を指す言葉である。旧植民地出身である在日韓国人、朝鮮人、中国人の人達を「オールドカマー」と区別して使われる。 2004年の時点で、外国人登録している者の数は総人口の約1.55%である。10年まえと比べると45.8%の増加になっている。そしてその四分の三がニューカマーと呼ばれる人達で占めているのである。人数であらわすと約150万人がニューカマーということになる。内訳は中国49万人、ブラジル29万人、フィリピン20万人、韓国・朝鮮14万人、ペルー6万人、アメリカ5万人などとなっている。
ニューカマーの子供達は日本の学校に入学する際は、基本的に他の生徒と平等に扱うことが文部科学省の規則となっている。しかし、大抵のニューカマーの子供は日本語を上手くしゃべることができない、日本の学校の文化になれていなので特別扱いをしないのではやっていけない。そこで、制度的枠組みのもとで教師はニューカマーの生徒達を受け入れている。 教師達は、ニューカマーの生徒が学校生活を「やれるようになる」まで手厚い支援をする。ここでいう「やれるようになる」というのは、周りの生徒と概ね逸脱しないような行動、理解ができることと認識されている。手厚い支援の方法として直接的支援と間接的支援という方法が行われている。直接的支援とは例えば、小学校低学年の例で挙げるならば、教室でホームルームを行っている際に {○○、わかりましたか?}と本人に確かめたりするなどの行為である。対して、間接的方法とは、 「○○君は、まだ知らないことだらけだから、周りのお友達は、○○君が困っていたら手伝ってくださいね」とクラスに呼びかけたりする行為である。 このようにして、支援を受けてニューカマーの学生が概ね他の生徒と同じような行動・理解ができるようになった、と教師が判断すると途端に手厚い支援は終了し、他の生徒と同等の扱いを行うようになる。 しかし、このときニューカマーの学生は実はまだまだわからないことだらけで不安で一杯なことが多い。しかし、日本語もまだまだ未熟であるため、意思を表示できず、教師は見逃してしまうことが多い。
ニューカマーの学生は年齢が上がって行くにつれて、欠席が増えるということがよくある。これはクラスになじめないことが原因の一つである。特に、日本に来たばかりのニューカマーの学生は、日本語がほとんど理解できず、よってクラスメートとコミュニケーションがとりにくい。こうして友人を作りにくくなってしまい、最初のうちは耐えられても、やがて学校へ行くことがいやになり、続かなくなってしまうケースがほとんどである。 ニューカマーの学生は、内向的でおとなしいという印象を持つ日本の生徒が多いというデータがあるが、これは間違った印象である。本来短期で喧嘩っぱやい生徒であっても、どう怒っていいかわからないため、怒りを我慢しているといった事例が多いのである。