生命倫理
出典: Jinkawiki
生命倫理
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生命倫理(バイオエシックス)とは
医療と生命科学の研究を倫理的にとらえようとする学問。医療や生命工学(バイオテクノロジー)などの進歩によって、生命のコントロールが可能になったことに伴い確立された学問領域である。
1970年代、アメリカの癌研究者V.R.ポッターが提唱したバイオエシックス(bioethics)の語義が拡大されて広まった。バイオシックスとは生命を意味する「バイオ」と、倫理を意味する「エシックス」との造語である。その概念は1980年代、哲学者の加藤尚武らによって日本に導入された。
生命倫理の概念
人間がどこまで生命を操作してよいのかという見地から、脳死・臓器移植・安楽死・生殖医療・クローン技術・遺伝子操作などの問題を取り扱う。 医学・生命工学をはじめ哲学や社会学・生物学・法律・環境学・宗教学などの分野と関連する。
生命倫理の誕生の背景
生命倫理の概念は、第二次世界大戦中に行われたナチスドイツによる非人道的な人体実験の反省が発端であるといわれている。
生命倫理の4原則
トム・L・ビーチャムとジェイムズ・F・チルドレスによって、「生命医学倫理」(初版1979年)において提示された。医療現場で倫理的問題に直面したときの、解決の指針とされる。
(1)自立の尊重(人に対する敬意) (respect for autonomy)
・・・本人の自由意志による決定の尊重
(2)無危害 (nonmaleficence)
・・・対象となる患者・被験者に危害を加えない
(3)善行 (beneficence)
・・・対象となる患者・被験者のために最善を尽くす
(4)正義 (justice)
・・・対象となる患者・被験者を対等に扱い、専門知識に基づいて、限られた医療資源の配分を正しく行うこと
生命倫理に関する法の整備
臓器移植法 1997年成立 2010年改正
ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律 2001年
安楽死法 2001年 オランダ
2002年 ベルギー
学術団体
日本生命倫理学会 など
参考
[1] LIFENCE [2] 日本看護協会 [3] 生命倫理の4原則