PM2.5 2
出典: Jinkawiki
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微小粒子状物質(PM2.5)とは
大気中に浮遊している2.5μm(1μmは1mmの1/1000)以下の小さな粒子のことであり、従来から環境基準を定めて対策を進めてきた浮遊粒子物質(SPM:10μm以下の粒子)よりも小さい粒子である。PM2.5は非常に小さいため(髪の毛の太さの1/30程度の大きさ)、肺の奥深くまでにも入りやすく、喘息や器官支炎などの呼吸器系疾患への影響に加え、肺がんのリスクの上昇や循環器系への影響が心配されている。成分には、炭素成分、硝酸塩、アンモニウム塩のほかにも、ケイ素、ナトリウム、アルミウムなどの無機元素などが含まれている。さまざまな粒径のものが含まれており、地域や季節、気象条件などによって構成に変動が起こる。
PM2.5の発生の原因
微小粒子状物質(PM2.5)には、物の燃焼などによって直接排出されるもの(一次生成)と、環境大気中での科学反応により生成されたもの(二次生成)に分類できる。一次生成粒子の発生源として、ボイラーや焼却炉など、ばい煙を発生する施設やコークス炉や鉱物堆積場のような粉塵(細かいちり)を発生する施設、自動車、船舶、航空機などのほかに、土壌、海洋、火山など自然由来のもの以外にも、家庭内で、喫煙や調理、ストーブなどから発生している。二次生成粒子は、火力発電所、工場・事業所、自動車、船舶、航空機、家庭などの燃料燃焼によって排出される硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)、燃料燃焼施設のほかに、溶剤・塗料の使用の際や石油取扱施設からの蒸発、森林などから排出される揮発性有機化合物などのガス状物質が、大気中で光やオゾンと反応して生成される。
健康への影響
微小粒子状物質(PM2.5)の環境基準(人の健康を保護する上で維持されることが望ましい基準)として「1年平均値が15μg/㎥以下であり、かつ、1日平均値が35μg/㎥以下であること」と定められている。環境省が平成25年2月に設置した「微小粒子状物質(PM2.5)に関する専門家会合」では、健康影響が出現する可能性が高くなると予測濃度水準として、注意喚起のための暫定的な指針となる値を1日平均値70μg/㎥と定めている。ただし、呼吸器系や循環器系の疾患のある者、小児や高齢者などでは、個人差が大きいと考えられている。そのため、これよりも低い濃度でも健康影響が生じる可能性は否定できないとされている。
PM2.5への対策
対策の方法は大きく分けて5つある。
①屋外での長時間の激しい運動や外出をできるだけ減らす。
②屋内においても換気や窓の開閉を必要最小限にする。
③特に高感受性者(呼吸器系疾患を持つ人、高齢者、小児など)においては、体調に応じて、より慎重に行動する。
④高性能な防塵マスク(小さな粒子の吸入防止用)を空気が漏れないように着用する。
⑤空気清浄機を使用する。