森の幼稚園9
出典: Jinkawiki
森の幼稚園9
目次 |
ドイツにおける森の幼稚園の歴史
森の幼稚園の歴史
森の幼稚園は、就学前教育における新たな代替物であり将来展望である。数多くのこの類の施設の創設にとって決定的なのは激烈な社会変化だったが、その変化は時が経つにつれて子どもたちの体験の機会を減らしていった。この変化によって森の幼稚園運動に考慮を払う必要が生まれる。
ドイツではこういう施設は、90年初め以降存在する。ただ単に親たちや教育学者たちばかりでなく、広く国民の間でもますます絶大な人気を博している。自然幼稚園は、実質的に森の幼稚園と異なるところはない。ただそれが利用する場所が、森ではないかあってもわずかだったり、手近にある牧草地とか野原だったり、また他の自然空間、例えば海、海浜もしくは砂丘だったりするだけである。現在ドイツにはおよそ350の森の幼稚園があり、さらに増える傾向にある。全ての自然・森の幼稚園が上部組織とつながりがあるわけではないし、そのうえ新設も続いているので、正確な数を述べるのは難しい。
森の幼稚園運動の起源
最初の森の幼稚園は、1954年にデンマークでエラ・フラタウ夫人によって創られた。彼女は、毎日彼女の子どもたちと一緒に出掛けて森の中で遊び、自然観察を行った。その幼児たちのための幼稚園の場所が見つけられなかったので、初めは女史個人の家の周りの近くで――その後しだいに近所や友人の所で、こういった形で子どもの世話をすることに興味を持った。親たちが自発的に協力し、こうして歴史上最初の森の幼稚園が創立された。今日デンマークには、この種の施設が70以上存在する。1995年には遂に、代替施設の存在によりデンマークの子どもたちの全体で85%が幼稚園の場所を確保できるようになった。
ドイツにおける発展史
ドイツでは、二人の女性教育者ケルスティン・イェップゼントペトゥラ・イェーガーが、最初のこういう施設を1993年にフレンスブルクに創設した。二人のこの前衛女性は、専門教育を受けている間に、幼稚園教育学における代替形式興味を持った。1991年4月に専門定期刊行物『遊びと学び』の中の「扉も壁もない幼稚園」という表題の論文で、ウルズラー・フリートリッヒは、デンマークの森の幼稚園運動に注目した。デンマークの森の幼稚園をたびたび参観して、彼女は独自のこういう施設を創設する計画を固めた。1991年9月末、彼女は教育学者たちや心理学者たちと一緒に構想を練り上げ、社団を創設した。フレンスブルク市のような所管庁、シュレスヴィッヒ・ホルシュタイン州社会省、連邦少年局により、頻繁に参観があった後、1992年10月彼女たちの遮断は認可され、1993年以降シュレスヴィッヒ・ホルシュタイン州フレンスブルク市の助成を受けることになった。1年遅れてリュウベックの自然幼稚園とバーデン=ヴュルテンベルク州ベルクレンの森の幼稚園の開設準備が調った。これらのお手本の後、ドイツではこのような施設はますます増えている。
こういった幼稚園の典型的な構想とは別に、すでに1968年以来ヴィースバーデンに個人的に創られた施設が存在する。これは。ウルズラ・ズーペ夫人によって創立されたが、これに対して彼女ははっきりした名称をつけようとは考えていなっかたし、またその当時はまだこういう形での代替施設の創設だとは認識されていなかった。彼女は確立させた構想は持たなかった。夫の死により彼女は5歳の息子と自分自身の面倒を見なければならなかった。そういうわけで、その当時幼稚園の場所がなかったので、「森の幼稚園」を創ろうと決心した。初めは懐疑的だった青少年部局の保健局部も、実地調査のうえで15人の子どもたちを森の中へ一緒に連れていく許可を彼女に与えた。彼女は国家の側からの財政的援助を受ける機会は全くなく。もっぱら親たちの分担金で存続させた。ズーベ夫人は72歳の高齢になるまでこの施設を自ら運営してきた。1998年以降、その幼稚園は新しい運営下にある。
参考文献 ペーター・ヘフナー、佐藤竺[訳](2009)『ドイツの自然・森の幼稚園―就学前教育における正規の幼稚園の代替物―』公人者
HN:KI