赤サンゴ密漁問題

出典: Jinkawiki

2015年8月1日 (土) 21:03 の版; 最新版を表示
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目次

概要

赤サンゴ密漁問題とは、2014年秋ごろから日本の排他的経済水域と領海である東京都の小笠原諸島及び伊豆諸島で中華人民共和国(以下「中国」)の漁船によって希少なサンゴの一種、通称「赤サンゴ」が密漁された問題である。

現在はほぼ完全に下火となっており、密漁のあった近辺の海も落ち着きを取り戻しているが、サンゴは大量の密漁によって荒らされ斑に何もない場所になっているという。今後は単なる国際犯罪事件というくくりで扱わずに国際的な環境問題の観点からも解決に乗り出していく必要がある。

赤サンゴ

日本でも採取に免許が必要なほどの高い価値がある。根が付いた状態であれば600万、枯れたり折れたりしていても130万もの高値が付く。(2014年時) 加工されてイヤリングやネックレスにされることが多く、そのような状態になると1000万以上の値段で取引されることも珍しくないので、ほぼ宝石に近い扱いである。

また、密漁を行っていた中国ではこの赤サンゴにはアクセサリーとしてだけではなく、霊的な力の宿るお守りのような意味合いもあるのだという。このような信仰による多大な需要も密漁の原因の一つといえるが、中国では2010年に中国海島保護法にて中国領海内における赤サンゴを含むサンゴ漁が全面的に禁止されており、この法令によって生活に困窮した漁師が発生してしまったことが密漁事件の最大の原因となった。

対策

日本側も海上保安庁が現場の警備にあたっていたが、元々海上保安庁そのものの予算や人件費、巡視船の数が足りておらず、密漁漁船を発見し次第警告をしてから領海から追い出すまでにとどまっていた。 漁船はその後も増える一方となり、最大時には200隻以上の中国漁船が押し寄せて赤サンゴの生息する一帯を荒らした。 しかし同年11月に巡視船の大量投入によって密漁船を追い出す方針から一転、一斉摘発を行い、中国人船長らを現行犯逮捕するに至った。 逮捕した同日に20日時点で小笠原近辺にいた密漁船の一掃を公表。続いて12月には外国船密漁の罰則強化の改正法が施行された。 以降は完全な終息には至っていないが、ピーク時に比べれば密漁船の数も激減した。

海外であれば銃火器を持ち出して本格的な威嚇射撃を行うところであるが、やはり武器を持たない日本であると厳しくなる。今後このような問題に対し今回のように時間をかけずに終息させることが可能なように協議していくべきであろう。


参考

中国船密漁で注目、ダイヤ並み「赤サンゴの値段」 50センチで2700万円、ネックレスが1500万円..(http://www.j-cast.com/2014/11/06220257.html) 島が危ない 赤サンゴ 迫る群影(1) - 産経ニュース(http://www.sankei.com/premium/news/141113/prm1411130007-n1.html) サンゴ密漁船を一斉摘発 海保、追い出しから方針転換(http://www.asahi.com/articles/ASGCP3CMRGCPUTIL00M.html) 中国の赤サンゴ密漁 他国なら“銃撃”して拿捕…できないのは「日本だけ」(http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20141104/dms1411041830004-n2.htm)


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