バベルの塔4

出典: Jinkawiki

2015年8月9日 (日) 21:14 の版; 最新版を表示
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目次

バベルの塔

聖書での記述

創世記11章1節~9節(新改訳2版) 1. さて、全地は一つのことば、一つの話しことばであった。 2. そのころ、人々は東のほうから移動して来て、シヌアルの地に平地を見つけ、そこに定住した。 3. 彼らは互いに言った。「さあ、れんがを作ってよく焼こう。」彼らは石の代わりにれんがを用い、粘土の代わりに瀝青を用いた。 4. そのうちに彼らは言うようになった。「さあ、われわれは町を建て、頂が天に届く塔を建て、名をあげよう。われわれが全地に散らされるといけないから。」 5. そのとき主は人間の建てた町と塔をご覧になるために降りて来られた。 6. 主は仰せになった。「彼らがみな、一つの民、一つのことばで、このようなことをし始めたのなら、今や彼らがしようと思うことで、とどめられることはない。 7. さあ、降りて行って、そこでの彼らのことばを混乱させ、彼らが互いにことばが通じないようにしよう。」 8. こうして主は人々を、そこから地の全面に散らされたので、彼らはその町を建てるのをやめた。 9. それゆえ、その町の名はバベルと呼ばれた。主が全地のことばをそこで混乱させたから、すなわち、主が人々をそこから地の全面に散らしたからである。


概要

バベルの塔の物語は、ノアの箱舟の物語の後の出来事である。ノアの子のセム・ハム・ヤフェトから子孫が繁栄し、分かれていくなかで起こったものだ。 ハムの孫であるニムロデは指導者として民を率い、神の住む天に到達するような塔を作ろうとした。それを神は良しとせず阻止をするべく、人々の言葉を混乱させた。意志の疎通が難しくなったため、塔を作ることは不可能となった。そして、言語を同じとする者で集まり世界中に移動・居住するようになった。 バベルは、バラル(混乱)の意からきているとされる。また、バベルとは、ヘブライ語でバビロンのことである。


経緯

この物語は、創世記3章でのアダムとエバのエデンの園からの追放に似ている。アダムとエバは禁じられていた木の実を食べ善悪を知るようになった。そして、次には生命の木からもとって食べ、永遠に生きるようになるかもしれないと考えた神は二人を楽園から追放した。 神は、神々のようになろうとした人間(アダムとエバ)、そして神々の住まいである天に到達しようとした人間(バベルの塔の人々)に対して、行動を起こし防いだ。人間が神と対等になろうという発想は、神への冒瀆となったのである。 ノアの洪水においては、神はノアの家族以外の人間を抹殺してしまった。だが、神からすれば手塩にかけて創造した人間を滅ぼしてしまうのは、親が子を殺すことのように忍びない。そこで、意思伝達手段の撹乱という方法で、人間の力を分散させ、悪の一局集中化を阻止した。すなわち、これは人類を抹殺したくないとする神の憐れみから出た選択であったともいえる。(参考文献1から一部抜粋)


参考文献

1.「ユダヤ発想の原点 創世記 上」手島 佑郎 ぎょうせい 2.「聖書を読みとく 天地創造からバベルの塔まで」石田友雄 草思社 3.「聖書」新改訳第2版 日本聖書刊行会


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