環境問題17

出典: Jinkawiki

2018年1月17日 (水) 14:27 の版; 最新版を表示
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目次

環境問題の深刻化

 20世紀の世界の先進国は経済発展の中で大量生産、大量消費、大量廃棄の繰り返しにより地球環境に大きな負荷を与えており、このまま地球温暖化などの環境問題が深刻になれば人類滅亡の危機が訪れるとされている。環境問題はいくつも存在しており「オゾン層の破壊」「地球温暖化」「酸性雨」「公害問題」などが代表的なものである。


オゾン層の破壊

 オゾン層はフロンガスによって破壊されるということが最近の研究で示された。特定のフロンは科学的に安定な物質であるために、放出されたフロンのほとんどが分解されずに成層圏まで達する。成層圏で紫外線を吸収したフロンは塩素原子を放出し、成層圏のオゾンを酸素分子に連続的に分解することでオゾン層は徐々に破壊されていくのである。オゾン層破壊の結果による紫外線の増加が及ぼす影響として、皮膚がんの増加、免疫機能の低下、白内障の増加などの人体への影響、農作物の被害、生態系への影響があると考えられている。


地球温暖化とは

 地球の表面は、太陽から地球に届く熱エネルギーによって暖められるが、その一方で熱は地球から宇宙空間へも放出されているため地表は冷えることになる。この暖められる作用と放出されて冷える作用がバランスの良い状態で保たれていれば地球の表面温度は安定することになる。人類は石炭や石油などの化石燃料の発見により、燃やすことによってエネルギーを作る出すようになった。この発見によって人類は大きな発展を遂げたが、化石燃料を燃やすことによって発生する温室効果ガスの二酸化炭素発生することによって大気中での温室効果ガスの濃度が高くなり熱の放出が難しくなってしまったのである。地表に放出されない熱がたまりエネルギー収支のバランスが崩れることが地球温暖化を引き起こす原因である。


酸性雨とは

化石燃料の燃焼などにより大気中に放出された硫黄酸化物や窒素酸化物は、太陽光による酸化などにより硫酸や硝酸およびこれらの塩に変換され、大気を酸性化する。これらの酸が大気から地上へ沈着し、生態系を酸性化するといった一連の現象が酸性雨とよばれる。一般的には、大気中の酸が雨や雪などに解けて降水、沈着する、酸性「雨」(湿性沈着)に限らず、酸が水に溶解することなく粒状の状態で地上に拡散・沈着(乾性沈着)するものを含み、「酸性雨」として捉えられることが多い。酸性雨による被害としては、湖沼などの酸性化による魚などの水域生態系への影響や地下水汚染、土壌の酸性化による樹木・森林・農作物への影響、建造物・歴史的な遺跡や石像などの腐食などがある。


日本の公害問題

日本の公害問題は、古いものでは1880年の前後の足尾銅山鉱毒事件や、1890年代の別子鉱山煙毒事件などが挙げられる。この二つの公害は、産業の発展が国家の優先課題であったことから発生した問題である。特に足尾銅山鉱毒事件は、全国で反公害運動が行われるきっかけとなった事件である。日本が高度経済成長の中で深刻な公害問題が発生した。熊本県水俣市でチッソ工場からの排水に含まれる有機水銀によって発症する「水俣病」、富山県の神通川流域の工場から排出されたカドミウムによって発症する「イタイイタイ病」、三重県四日市市で石油コンビナート群の煙突からの化学物質で汚染された大気によって発症する「四日市ぜんそく」、熊本県水俣市と同様の被害が発生した「新潟水俣病」などの四つが代表的のものである。これらは「四大公害病」といわれている。


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