難民12
出典: Jinkawiki
難民
国境を越えて移動する人々は、移動の動機に基づき自発的移動と強制移動に分けられる。自発的移動とは、経済的・政治的・社会的影響などのプッシュ要因とプル要因の組み合わせによって生じると考えられており、移動車が主体的に移動を選択した結果として生じるものである。それに対して、強制移動とは、国家や同等の機能を持つ何らかの社会的制度によってもたらせる移動であり、移動者には移動するかしないかについての選択肢がない状態を指す。人々に越境を強いる現象としては人権侵害や紛争のほか、飢饉や水害などの自然災害、貧困や不平等など様々なものがある。 難民問題 近年、難民問題が脚光を浴びる局面として、安全保障問題との関連が取り沙汰されている。難民の多くは、国家間あるいは国内の暴力的紛争や政治的混乱によって発生するが、難民を取り巻く環境は難民と共に周辺地域へ拡大するため、一次庇護国にとって国境管理政策や難民の隔離・保護は自国の安全保障戦略の一環として非常に重要な位置を占めている。しかしながら、近年の紛争の要因や紛争当事者の複雑化に伴って、難民の出身国と受入国の関係は従前のような二項対立という単線的な構図では、説明しきれなくなっている。それゆえ難民は、一次庇護国の安全保障を脅かす存在となり、その管理は一次庇護国の安全保障戦略にとって一層重要な位置を占めている。 難民問題解決のプロセス 難民問題解決のプロセスの一つに難民ガバナンスというものがある。難民ガバナンスとは、「難民は国際的に保護されるべき」であり「難民問題は解決されるべき」であるという国際的に共有された規範の達成のための強調に向けた一連のプロセスである。その中には、様々な国際法や各種規則、国際組織・地域機構・政府間交渉が含まれ、難民ガバナンスのもとでは、多様な国家間の利害関係が調整され、一見協調が困難かと思われる国家間での協調が可能になる。
参考文献 『難民問題のグローバル・ガバナンス』(2014)下田勝司 東信堂