リーマンショック3
出典: Jinkawiki
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概要
米国大手銀行の破綻とそれを原因とする世界同時不況のこと。日本で一般化した呼称であり,英語圏ではあまり用いられない。英語圏ではthe collapse of Lehman BrothersやBankruptcy of Lehman Brothersと表すことが多い。アメリカ第4位の投資銀行だったリーマンブラザーズが、サブプライムローンと呼ばれる高リスクの住宅ローンで大規模な損失を計上。その処理に失敗し、2008年9月15日、連邦裁判所に連邦倒産法第11章を申請、事実上の破産となった。 別名、リーマンクライシスとも呼ばれる世界金融危機の一つ。
原因
引き金となったのはサブプライム問題である。リーマンショックの原因は、アメリカの住宅バブルの崩壊とそれに伴うサブプライム問題だと言われている。サブプライムローンの焦げ付きにより、ヘッジファンドがデリバティブを含む株や債券など様々な金融商品を売却し、価格が暴落した。メリルリンチ、バークレイズ、バンク・オブ・アメリカなど米国の金融大手との売却交渉を行ったが、政府による公的資金の投入が見送られたため結果的に交渉は決裂する。 日本のメガバンクや韓国産業銀行も買収に名乗りをあげたが、64兆円と言われる負債総額のあまりの巨額さに買収を見送ったと言われている。 サブプライム問題 サブプライム問題とは、アメリカの住宅ローン崩壊を背景とした金融危機のこと。具体的には、米国における住宅バブルとそれに便乗した手法であるサブプライムローン、及びその証券化が起こした不動産バブルの崩壊と以後続く世界恐慌とも呼べる世界金融危機のこと。別称は、サブプライムローン問題・サブプライム住宅ローン危機。2008年9月に起こったリーマンショックの原因にもなった。サブプライム問題の原因には諸説あるが、そもそも米国で起こっていた住宅バブルとそれに乗じたサブプライムローンのデリバティブとしての性質、さらには不誠実な信用格付け及び、証券化によるリスクの拡散などが挙げられる。
影響
アメリカ まず影響が表れたのは震源地であるアメリカの実態経済である。リーマンショック以前には5%台だった失業率は月を追うごとに悪化。2009年10月には10%の大台に乗せる。GDPの伸び率も2008年12月期には前期比-6.3%となり、明確な景気後退期入りを果たす。
ヨーロッパ その後、経済的な影響はユーロ圏に移り、いわゆる欧州債務問題やギリシャ破綻危機を引き起こす原因となっている。アメリカ経済が2011年には明確な回復の兆しを見せているにも関わらず、ヨーロッパでは2012年現在も失業率が高止まりを続けておりリーマンショックの影響が世界各国へと飛び火している様子が伺える。
日本 当初、日本の金融機関はあまりサブプライムローンに手を出していなかったため、欧米に比べてその影響は小さいと言われていた。しかし、行き場を失った投機マネーが経常黒字国である日本を安全逃避先とみなし外国為替市場において円買いに流れた。その後、2011年3月には史上最高値となる76円まで円高が進み、日本経済を直撃。日銀が円安誘導を目論み為替介入に踏み切るが、アベノミクス政策が始まる2012年まで超円高水準を維持し続けていた。また、株価への影響も大きく、日経平均株価は2008年10月28日にバブル後の最安値となる7000円割れまで下落した。
参考文献
『現代日本経済 第3版』2011 有斐閣