資本主義3
出典: Jinkawiki
江戸から明治の資本主義
日本の資本主義の発展は明治時代に産業革命が起こったことで始まった。江戸までは士農工商という身分制度が敷かれ農民の子が別の職業に就きたいと思ってもそれはかなうことはなかった。そんな中、農民を労働者として集めて作業などによって商品を作る工場制手工業という生産形態が始まり資本主義社会の原型が徐々に出来上がっていった。明治政府発足後、日本は近代国家樹立を目指し富国強兵や文明開化をスローガンに諸外国に追いつこうとしたため明治政府は士農工商の制度を廃止し、四民平等とした。平等になり職業選択の自由が与えられたことで封建制度は撤廃されたが結果的に人々は資本家と労働者二大階級に分かれた。
明治期以降の資本主義
江戸からの工場制手工業から工場制機械工業に移行し機械技術の飛躍的な進歩によって安価な製品が短期間で大量に作ることが可能になった。軽工業では官営模範工場を開業し、綿糸紡績・製糸・織物などを大量に製造し輸出することで世界規模にまで成長させたのだ。重工業においても造船・機械器具・鉄鋼などが発展した。例えば鉄鋼業では官営の八幡製鉄所が開業したことによって鉄の自給率を挙げることに成功した。鉄道事業でも順調な伸びを見せ、のちに経営の統合と軍事輸送の便という経済的·軍事的な必要から国有化されてしまうが営業キロ数で民営が官営を大きく上回っていた。これらの発展に伴い三井・三菱・住友などの財閥と呼ばれる会社が設立されたのも資本主義の特徴といえるだろう。
資本主義の問題点
工業などの発展に伴い労働者の数も急増することになり農村から出稼ぎとして働きに来るものが多かった。これらの労働者は他国と比べるとはるかに低い賃金で長時間の過酷な労働に従事し、また悪い衛生状態・生活環境におかれるなど、労働条件は劣悪であった。劣悪な労働条件を最もよく表しているのが、労働時間の長さと賃金の低さなどが問題として挙げられた。