少年兵

出典: Jinkawiki

2008年8月5日 (火) 16:31 の版; 最新版を表示
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18歳未満で軍隊もしくは武装グループの一員となって戦闘行為もしくは支援業務に従事している少年または少女のこと。


目次

歴史

近年以前の戦争

近年以前の歴史を見ると少年兵は戦闘から除外されている。 スパルタの少年達が7歳から9歳で軍事訓練をうけたように、古代の軍隊に未成年者の存在が確認されているが、そういった子供たちは戦闘に加わらないのが常であり、家畜を追ったり、先輩兵士たちの盾や敷物を運ぶなどの下働きをしていた。

中世には騎士見習いの少年達が騎士の武装や整備を手伝い、17世紀から18世紀にかけてはどの陸軍や海軍でも軍楽隊の鼓手や弾薬運び(弾薬を砲手のもとに運ぶ幼い少年達)が存在していたが、戦闘員としてはみなされていなかった。

1415年アジャンクールの戦いで、イギリス軍の騎士見習いの少年たちが殺されたことがあった。その本来戦闘員としてみなされず標的になるはずのない少年たちが殺されたことに対してヘンリー5世は激怒し、フランス人捕虜を皆殺しにしたという。これに関して、ウィリアム・シェークスピアが「ヘンリ5世」という作品を残している。

近年の戦争

第二次世界大戦からの武器の小型化から、今まで戦力外であった少年兵が急増。 ユニセフでは約25万人の少年兵を推定。 少年、少女は誘拐や虐待の被害者ともなっている。

関連国際法

国際決議

国連安全保障理事会決議1261(1999年) 子供と武力紛争に関する最初の国連決議

国連安全保障理事会決議1314(2000年) 武力紛争が子供に与える影響を再認識するとともに、加盟国に対して武力紛争における児童の関与に関する児童の権利条約選択議定書の批准を呼びかけた。 国連安全保障理事会決議1379(2001年) 事務総長に対し、少年兵を使用している武力紛争当事者のリスト作成を要請。 国連安全保障理事会決議1460(2003年) 少年兵の使用停止を呼びかけ。 国連安全保障理事会決議1539(2004年) 事務総長に対して、監視・報告に関する体制の活動計画案の提出及び、同決議の履行状況についての報告書を提出するよう要請。 国連安全保障理事会決議1612(2005年)

条約

ジュネーブ諸条約第一追加議定書(1977年採択) 国際的武力紛争における15歳未満の児童の徴募及び敵対行為への参加を控えるよう要請し、15歳以上18歳未満の者を徴募する場合の最年長の優先を規程(77条)。 ジュネーブ諸条約第二追加議定書(1977年採択) 非国際的武力紛争における15歳未満の児童の徴募及び敵対行為への参加を禁止(4条)。 児童の権利に関する条約(1989年採択) 15歳未満の児童の軍隊への採用を禁止(38条)。 子どもの権利および福祉に関するアフリカ憲章 (African Charter on the Rights and Welfare of the Child) (1990年採択) 18歳未満の児童の徴募及び敵対行為への参加を禁止(22条)。 国際刑事裁判所規程(1998年採択) 18歳未満の児童の自国軍隊への徴募及び敵対行為への直接的参加のための利用を戦争犯罪として規定(8条)。犯罪実行時に18歳未満であったものに対する管轄権の排除(26条)。 最悪の形態の児童労働の廃絶のための国際条約 (Worst Forms of Child Labour Convention, 1999) (1999年採択) 武力紛争における児童の関与に関する児童の権利条約選択議定書 (Optional Protocol to the Convention on the Rights of the Child on the involvement of children in armed conflict) (2000年採択) 18歳未満の児童の強制的徴集及び敵対行為への参加を禁止。自国の軍隊に志願する者ついては、18歳未満の者の採用を認めているが(3条)、その際低年齢を引き上げ、最低年齢について拘束力のある宣言をする義務がある(3条)。また、国の軍隊とは異なる武装集団は、18歳未満の者の採用及び敵対行為への使用をすべきではないと規定され、締約国は、そのような行為を国内法上の犯罪とする措置をとる義務を有する(4条)。


  人間科学大事典

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