二院制
出典: Jinkawiki
●二院制とその存在理由 議会が二つの合議体からなる複合機関である場合に、これを二院制という。二院制は各国に普及したが、その形態と運用は各国の歴史的、政治的、社会的諸条件によって規定されさまざまである。 二院制の形態は、上院の構成の相違によって、次のように分類される。
①貴族院型 非公選の貴族や僧侶などで上院を組織する制度(イギリス、明治憲法下の日本)
②連邦代表型 連邦を構成する州の代表者で上院を組織する制度(アメリカ合衆国、ドイツ、オーストラリア)
③民選議員型 下院と同じく公選された議員で上院を組織する制度(現在の日本、ベルギー、イタリア)
国民の意思は、全国民から選挙された議員から構成される国会に反映される。そうすると、国民の意思を決定するには、一つの議会が存在すれば十分で、二つの議院に分ける意味がないとも思われる。 しかし、二院制には、以下のような存在理由がある。 (1)議会の専制の防止
(2)民意の忠実な反映
(3)下院と政府の衝突の緩和
(4)下院の軽率な行動の抑制
このように、議会を二つに分けることは意味がないとはいえず、むしろ積極的な意義を見出すことができる。