二院制

出典: Jinkawiki

2008年12月28日 (日) 18:55 の版; 最新版を表示
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●二院制とその存在理由    議会が二つの合議体からなる複合機関である場合に、これを二院制という。二院制は各国に普及したが、その形態と運用は各国の歴史的、政治的、社会的諸条件によって規定されさまざまである。  二院制の形態は、上院の構成の相違によって、次のように分類される。

①貴族院型 非公選の貴族や僧侶などで上院を組織する制度(イギリス、明治憲法下の日本)

②連邦代表型 連邦を構成する州の代表者で上院を組織する制度(アメリカ合衆国、ドイツ、オーストラリア)

③民選議員型 下院と同じく公選された議員で上院を組織する制度(現在の日本、ベルギー、イタリア)

 国民の意思は、全国民から選挙された議員から構成される国会に反映される。そうすると、国民の意思を決定するには、一つの議会が存在すれば十分で、二つの議院に分ける意味がないとも思われる。  しかし、二院制には、以下のような存在理由がある。   (1)議会の専制の防止

(2)民意の忠実な反映

(3)下院と政府の衝突の緩和

(4)下院の軽率な行動の抑制

 このように、議会を二つに分けることは意味がないとはいえず、むしろ積極的な意義を見出すことができる。

●わが国の二院制

 日本国憲法は、憲法第42条により、衆議院と参議院からなる二院制を採用していることは明らかであり、両院ともに公選による議員で組織される民主的第二次院型である。衆議院議員の定数は480人(小選挙区選出300人、比例選挙区選出180人)、参議院議員の定数は242人(比例代表選出96人、選挙区選出146人)とされている。衆議院議員の任期は4年である。しかし、解散した場合には任期満了前でも任期は終了する。参議院議員の任期は6年で、3年ごとに議員の半数が改選される。両議院の議員及び選挙人の資格、即ち被選挙権と選挙権については、選挙権は、日本国民で年齢満20年以上の者に付与され、被選挙権は衆議院議員については満25年以上の者、参議院議員については満30年以上の者としている。

 もっとも、わが国の両院制は、多くの事項につき衆議院の優越を認めている。なぜなら任期が短く、解散制度のある衆議院のほうが民意を反映した議員であり、国政の円滑な運用を図る必要があるからである。  


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