日本国憲法の制定の歴史と基本原理
出典: Jinkawiki
1945年日本はポツダム宣言を受け入れ、敗戦を迎えた。その内容は日本の政治が戦前の政治を改め、軍隊の武装解除、民主主義の復活強化、基本的人権の確立、平和的かつ責任ある政府の樹立を実現するよう要求するものだった。日本はこの要求を忠実に果たすため、天皇主権の明治憲法を改正することになった。日本はGHQ(連合国軍総司令部)に指示により憲法改正に着手し、1946年2月政府は松本草案と呼ばれる改正案を準備したが、明治憲法の内容を受け継いだものであったため、GHQは民主化には不適であるとの考えを示した。そこで独自の立場から、GHQ最高司令官のマッカーサーは独自の憲法草案(マッカーサー草案)を起草しこれを日本政府に示し採用を求める。日本政府はこれに応じ、3月憲法改正案を起草することとなる。これが第90回帝国議会で修正・可決され11月3日に「日本国憲法」という名で交付され、翌1947年5月3日に施行された。日本の決意を述べた前文と、具体的な規定の11章103条から構成されている。 現在の日本国憲法は基本に3つの重要な原理を持っている。それは国民主権、基本的人権の尊重、永久平和主義である。国民主権とは、国の政治の在り方を最終的に決める力を国民が持つという考え方である。日本国憲法はその前文と一条で「主権が国民に存する」ことを宣言している。これは民主主義という仕組みで政治が決定され、日本では国民の中から代表者を選んで政治を行う代表民主制を採用している。基本的人権とは、人間が人間である以上、当然に持つ自由や権利のことである。人間が生まれながらに持つという意味で天賦人権ともいわれる。日本国憲法は基本的人権において、誰も「犯すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる」(11条)と明確に定めまた「立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」(13条)として最大の価値を認めている。永久平和主義とは、前文と9条に示されている考え方である。一切の軍備と一切の戦争を放棄するという徹底した平和主義である。これは第二次世界大戦による日本国内の悲惨な状態およびアジア地域で侵略的な戦争を行ったことの深い反省に立ち、二度とこのようなことを繰り返さないという一大決心が表現されたものである。
参考文献:『図解雑学 憲法』 後藤光男 著 ナツメ社