VISTA
出典: Jinkawiki
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概要
VISTAとは、BRICsに続く新興成長国グループとしてエコノミストの門倉貴史氏が提唱している略語。ベトナム(Vietnam)、インドネシア(Indonesia)、南アフリカ(South Africa)、トルコ(Turkey)、アルゼンチン(Argentina)の5カ国が対象国。
BRICsに次ぐ新興国としてゴールドマンサックス社が提唱した「ネクストイレブン」があるが、バングラデシュやパキスタンなどの最貧国が混ざっていることや、BRICs並みの高成長が見込まれる南アフリカが含まれていないことなど、かなり無理のある選出だった。その為、独自にネクストイレブンに変わる造語を発表する団体・エコノミストらも多く、門倉貴史氏のVISTAもそのひとつである。
ベトナムとインドネシアとトルコの3カ国はネクストイレブンにも選ばれていたが、VISTAの特徴は南アフリカとアルゼンチンが対象国となっていることである。南アフリカはネクストイレブンの項でも述べているように、高成長が期待でき、かつ日本でも比較的簡単に株や債権に投資できる国家である。 ところがアルゼンチンは、2001年にデフォルト(債務不履行:国債などの償還及び利払いが不能になること)に陥った経歴のある国で、現在も経済状態は決して良くない。しかしアルゼンチンは肥沃で広大な国土を持つうえに、石油や天然ガスなどの天然資源が豊富で、食料的にもエネルギー的にも、ほぼ自給自足が可能である強みがあり、目下の課題である、通貨=アルゼンチンペソの安定化が図れれば、高度成長に入ってもおかしくないだけのポテンシャルは秘めている。
またVISTAはここ1~2年で注目を浴び始めた「次なる新興市場」といえる。BRICsとVISTAの違いは、この成長のタイミングの違いだけでなく、政情の安定度の違いでもあるという。BRICsほど広大な面積を持っていない点、膨大な人口を抱えているわけでもない点など、懸念材料を挙げればいくつもあるようだ。しかし、次なる大きな成長地域であることは事実。日本にしてみれば、有効な資源輸入先であり、かつ、技術や商品の輸出先としても魅力のある5カ国なのである。
経済成長
BRICs経済研究所が提唱したポストBRICsの有力グループ「VISTA」(ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチンの5カ国)では、株式市場が活況を呈している。たとえば、2004年1月から2007年3月までの期間について、各国の株価指数の推移をみると、ベトナムが5.2倍、インドネシアが2.4倍、南アフリカが2.5倍、トルコが2.5倍、そしてアルゼンチンが1.8倍となっており、いずれの国においても株価が大幅に上昇している様子が分かる。
VISTAの株価が好調になっている背景として、5カ国のマクロ経済が好調に推移していることが挙げられるでしょう。2007年のVISTAの加重平均成長率は前年比6.6%増と2005年の同6.4%増からさらに加速する見通しである。また、中国やインドなどBRICsの株価が急激に上昇した結果、BRICsの株価の割安感が薄れてきたため、BRICsから株価に割安感のあるVISTAなどのポストBRICs諸国に、先進国の資金が分散しはじめていることもある。
問題点
VISTAは、BRICsと比較してまだまだ経済規模が小さいため、個別に見るとインフレや経常収支の赤字といった問題点がある。
参考資料
「BRICs辞典」http://www.brics-jp.com/index.html