福祉用具

出典: Jinkawiki

2010年1月16日 (土) 16:48 の版; 最新版を表示
←前の版 | 次の版→

定義

 「福祉用具」は、1993年5月に公布された「福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律」(法律第38号)のなかで初めて公的に用いられた名称である。第2条に「心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障のある老人又は心身障害者の日常生活上の便宜を図るための用具及びこれらの者の機能訓練のための用具並びに補装具をいう」と規定されている。

 介護保険法では、福祉用具について「心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障がある要介護者等の日常生活上の便宜を図るための用具及び要介護者等の機能訓練のための用具であって、要介護者等の日常生活の自立を助けるためのものをいう」(第8条第12項)と規定している。このように「福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律」をもとに「介護保険法」では福祉用具が定義されている。介護保険法における福祉用具は、対象者が介護保険給付の対象である「要介護者等」であること、障害者自立支援法で提供される「補装具」は給付対象としていないこと、福祉用具の給付種目が貸与と購入に分けられていることなどが特徴である。


目的

身体機能の補完

 切断などによる身体の欠損または麻痺などにより損なわれた身体機能を補完、代替する目的で用いられる。義足、義手、車いすなど身体に装着するなどして用いられる補装具が代表的な例である。


自立支援

 加齢や障害により困難となる食事、排泄、入浴などの日常生活活動を自立して行えるように支援する。食事の際の各種自助具、つえ、歩行器、排泄関連用具、入浴関連用具、コミュニケーション機器などがこの目的で使用される。


介護・介助者等の省力化

 要介護者を介護する介助者や、介護者の介護活動の支援または省力化のためにも福祉用具は利用される。要介護者の移乗・移動の際に用いられるリフト、起居動作のための特殊寝台などはこれに相当する。


訓練用具

 介護保険法やその他の法にも福祉用具は機能訓練に用いると記載されているが、使用される用具は訓練の内容によって異なる。移動用具として用いられるつえ、車いすなどは廃用症候群の予防にも役立つ。またコミュニケーション用具も精神・心理面の訓練に大きな役割を果たす事もある。一般に、施設や病院などで用いられている訓練用具はこれには含まれないと考える。


その他

 火災情報機、自動消火器などはこれに属する。また車いすなどはいずれの目的にも使用される。



種類

 障害のある人々に用いられる器具は、福祉用具が法律用語として使用される以前には、福祉機器またはリハビリテーション機器などと呼ばれていた。この種の機器については現在まで日本で統一された分類法はない。日常生活動作の支援または介護に用いられている福祉用具を日常生活動作の項目に従って分類した報告書では、起居関連用具、移乗・移動関連用具、食事関連用具、整容関連用具、更衣関連用具、排泄関連用具、入浴関連用具、コミュニケーション用具などとなる。また個々の用具別に解説しているものや、袴瘡関連用具を独立して揚げているものもある。


参考文献

「老人福祉論」 中央法規出版 荘村多加志


  人間科学大事典

    ---50音の分類リンク---
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                          
                  
          

  構成