ファシリテーター

出典: Jinkawiki

2010年1月21日 (木) 15:14 の版; 最新版を表示
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ファシリテーション(facilitation)とは、「促進する」「容易にする」「円滑にする」「スムーズに運ばせる」というのが原意。ファシリテーターは会議やミーティング、住民参加型のまちづくり会議やシンポジウム、ワークショップなどで進行をする役割の人。単なる進行役ではなく、アクティビティ(学習活動)などの材料を用いてプログラムを組み立て、時間管理を行い、話し合いを活性化するために働きかけるなどして、安心して参加できる場をつくり、学びのプロセスを促進する。話し合いには議論に対して中立な立場を保ちながら介入し、議論をスムーズに調整しながら合意形成や相互理解に向けて深い議論がなされるように調整する役目もある。誰でもなれるが、自らをふりかえり学ぼうとする姿勢、参加者への信頼と主体性の尊重、どのような社会をめざし、なぜワークショップを用いるのかといったビジョンなどが求められる。


ファシリテーターの4つのスキル

1、場のデザインのスキル

何を目的にし、誰を集めてどういうやり方で議論していくのか、相互作用がおこる場づくりからファシリテーションは始まる。単に人が集まればチームになるのではない。目標の共有から、協働意欲の醸成まで、チームづくりの成否がその後の活動を左右する。中でも大切なのが活動のプロセス設計。問題解決プロセスをはじめ、基本となるパターンをベースに、活動の目的とチームの状態に応じて一つひとつ段取りを組み立てていく。

2、対人関係のスキル

活動がスタートしたら自由に思いを語り合い、あらゆる仮説を引き出しながら、チーム意識と相互理解を深めていく。ファシリテーターは、しっかりとメッセージを受け止め、そこにこめられた意味や思いを引っ張り出していく。具体的には、傾聴、復唱、質問、主張、非言語メッセージの解読など、コミュニケーション系(右脳系・EQ系)のスキルが求められる。

3、構造化のスキル

論理的にもしっかりと議論をかみあわせながら、議論の全体像を整理して、論点を絞り込んでいく。図解を使いながら、議論を分かりやすい形にまとめていくと、ロジカルシンキングをはじめとする、思考系(左脳系・IQ系)のスキルが求められます。加えて、図解ツールをできるだけ多く頭に入れておいて、議論に応じて自在に使い分けられなければいけない。

4、合意形成のスキル

議論がある程度煮詰まってきたら、創造的なコンセンサスに向けて意見をまとめていく。多くの場合には、ここで様々な対立が生まれ、簡単には意見がまとまらない。対立解消のスキルが求められ、ファシリテーターの力量が最も問われる。ひとたび合意ができれば、活動を振り返って個人や組織の学びを確認し、次に向けての糧としていく。


参考文献

堀公俊 『ファシリテーション入門』(日経文庫) 堀公俊 『組織変革ファシリテーター』(東洋経済新報社) 社会福祉法人 大阪ボランティア協会・編集 ボランティア・NPO用語事典 中央法規

参考URL

http://www.pref.chiba.lg.jp/syozoku/e_kansei/gakushu/07gaido/07-004-015.html https://www.faj.or.jp/modules/contents/index.php?content_id=23


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