プレートテクトニクス
出典: Jinkawiki
海底下の上部は幾つかのプレートに分かれていて、このプレートがゆっくりゆっくり移動していて、海溝で海底下深く沈み込んでいくことはよく知られているが、この海底の移動については古くはウェーゲナーの大陸移動説があり、これが近年の自然科学の進展にともなってプレートテクトニクスになった。さらに最近ではプレート移動の原動力となる地球内部の物質循環との関係も明らかになりつつある。(プルームテクトニクス)
1) 大陸移動説 大陸が地球表層を移動するという考えは17世紀頃から出されていたが、1910年代にドイツのウェーゲナーの論文が出版されて有名になる。ウェーゲナーの考えは、南アメリカ大陸とアフリカ大陸が昔は一つの大陸であったがその後少しずつ東西に移動・分裂して現在のようになったというもの。この考え方の根拠としては、両大陸の海岸線の形を無理なくつなぎ合わせることが出来ること、地質構造や氷河の痕跡、化石等の分布もつなぎ合わせることができること等である。しかしながら、当時の知識ではこの大陸を移動させる原動力が不明であったため、ウェーゲナーのこの説(大陸移動説)は学会の定説にはならなかった。ところが、1950年代になってから海底の地磁気に関する調査が進むにしたがって大陸はやはり移動していると考えられるようになり、1960年代に入ってプレートテクトニクスという理論が生まれた。
2) プレートテクトニクス 地球の表面が十数個の厚さ数十~数百kmの板(プレート)に分かれていて、このプレートが水平方向に年数cm~十数cmのスピードで移動し、離合、衝突等が行われているという説をプレートテクトニクスという。テクトニクスというのは、地球の大規模な構造と変動について研究する学問のこと。このプレートテクトニクスによれば、プレートは海底の大山脈である"中央海嶺"で生まれて、ゆっくりと両側に広がってゆき、最後には海溝で地下深くに沈み込んでゆきます。このように考えることによって、世界規模の火山・地震の分布区域や海底に残っている昔の地磁気の状況等地球上の様々な現象が無理なく説明できるようになった。しかしながら、プレート自身の変形の原因やこのプレートを動かす原動力についてはあまりよく判ってはいなかった。
3) プルームテクトニクス 1990年代に入ってから、これまでのプレートテクトニクスでは説明できなかった、前節の問題点を説明する理論が現れた。これはプルームテクトニクスと呼ばれているもので、地球内部の核の上面(深さ約2,900km)付近から、高温で軽い物質が(プルーム)がゆっくりと上昇してきているという考えである。このプルームの循環によってその上に乗っているプレートが移動しているとされている。プルームテクトニクスは新しい理論のために、まだ定説というところまでにはなっておらず、今後さらに検討がなされていく仮説である。