フォルメン線描2
出典: Jinkawiki
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シュタイナー教育で用いられる教科の一種。
オイリュトミーという教科と共に基本的な内部感覚(運動感覚・均衡感覚など)を育てるために小学校教育から取り入れられる。
線や図を描くことで優れた形の感覚を養うことができたり、集中力を高めたり、時には研ぎ澄まさた神経を解放する効果もある。
フォルメン線描は独立した教科ではなく、国語・算数・音楽などのどの教科の中でも教育することが出来る。
最初は直線から始まり、学年が上がっていくにつれて複雑な図形を描くようになる。
ただ線や図形を描くのではなく、1年生の授業では物語を聞きながら、ある場面で線や図形を描かせるという場合もある。
生徒はそれぞれ個性のある線や図を描く。生徒のこのような自己表現から個人の性格などが読み取れる。フォルメン線描は気質の教育にも深く結びついている。
学年が上がると線による形態を創造的に作らせることが中心となってくる。
最初は左右対称が取り上げられる。教師が黒板に描いた図と左右対称のものを生徒達に描かせる。
運動感覚と均衡感覚が鈍い生徒はこれを描くことが出来ない。しかし左右対称の図が描けたとき、生徒達は大きな歓喜を感じる。
それは心の中のイメージの開放感を体験したからである。
フォルメンの練習を各教科の授業の最初の15分行うと生徒の集中力が育つ。
喜びの感覚を持つことは小学校教育で大切で、それができれば先の周囲の社会に対しても積極的に適応しようとする内的衝動を持つことができる。
喜びは感覚、特に運動感覚と均衡感覚と深い関係があり、それはフォルメン線描のような形による教育によってもたらされる。
参考文献
『シュタイナー教育の方法』 高橋巌著 角川選書
『フォルメン線描』 高橋巌・ハンス・ルドルフ・ニーダーホイザー著 創林社
『フォルメン線描 シュタイナー学校での実践と背景』 森 章吾訳 筑摩書房