マイクロクレジット

出典: Jinkawiki

2010年2月5日 (金) 11:58 の版; 最新版を表示
←前の版 | 次の版→

目次

マイクロクレジットとは

マイクロクレジットは今、最も持続的で効果的な貧困削減の手段として世界から注目されている。バングラデシュでは1990年には58%だった貧困率が2001年には49%に減少するなど年々減少傾向にあるが、農村部では未だに貧困率が高いのが現状であり、それらの貧困を救うための援助が行われている。 多くの人々は仕事がしたくてもそれを始めるためのお金がないため、事業を始めたり拡大することができないという悪循環に陥っていた。そこで、このような人々を対象に融資をし、自らの力で悪循環から脱出する手段を提供しようということで導入されたのが「マイクロクレジット」と呼ばれる小額無担保融資である。


マイクロクレジットの仕組み

「融資」といっても、日本の銀行のような仕組みとは少し異なる。マイクロクレジットでは、農村などで5人ほどのグループを作ってお金を借り、それらを活用してお金を得るという仕組みである。バングラデシュでその融資を行っているのがグラミン銀行と呼ばれる銀行である。普通、銀行からお金を借りる場合には、土地などの担保となるものが必要となる。しかし、この融資は「仲間との信頼性」が何よりも大切なものとなってくる。グループでお金を借りることで、返済は連帯責任であることを自覚し、1人ひとりの責任感がとても強くなる。


融資の返済率(グラミン銀行)

現在、グラミン銀行の融資の返済率は98%といわれ、非常に高い数値を保っている。村全体、あるいはお互いをよく知る者同士がグループを組むことで、互いのアドバイスし合い、そして時には励まし合いながら返済する仕組みが生まれるため、返済率が高くなると考えられている。


まとめ

マイクロクレジットにはメリットだけではない。貧困国にはもともと仕事を持っている人たちだけだとは限らない。融資を借りて事業の拡大や開始をする人がいる一方で、経営能力が無い人、何を起業すればいいのかわからない人など、成功者との間に新たな格差を生むという問題が生じることも視野に入れて考える必要がある。


参考文献

大橋 正明・村山 真弓 「バングラデシュを知るための60章」 明石書店 2003

保坂 恵美子 「比較ジェンダー論」 ミルネヴァ書房 2005


  人間科学大事典

    ---50音の分類リンク---
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                          
                  
          

  構成