水力発電

出典: Jinkawiki

2010年2月8日 (月) 18:10 の版; 最新版を表示
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 水力発電とは、水が高い所から低い所へ流れ落ちる力(位置エネルギー)を利用して水車を回し、水車につながれた発電機を回転させ電気を起こす。日本では山間の渓谷に数多くのダムがあり、これらのダムは洪水調節や渇水に備えて水を貯めるという目的のほかに少しづつ水を流して水力発電に利用するという役目も持っている。  日本は気候的に水に恵まれているため、かつては水力発電が電力供給の中心的役割を担っていたが、今日では火力発電や原子力発電による割合が高くなり、水力発電は全体発電量の約9%程度となっている。  水力発電には、ダムによってせき止めた水を利用する「ダム式」、川の上流で水を取り入れ、大きな落差ができる所まで水路を引いて急な落差を作った水圧管の勢いを利用する「水路式」(構造面での分類)、上下二つのダムを使い、夜間に電気が余っているときに発電機をポンプとして使って下のダムから上に水を汲み上げ、昼間にはダム式のように発電する「揚水式」(水の利用面での分類)等がある。


発電方法

 水の利用面で分類すると、以下4タイプの発電方法がある。

流れ込み式

 川の流れを利用して、長い水路で大きな落差を得ることで水車を回す。よって、発電量は川の流量次第になる。

調整池式

 取水ダムや調整池を作って、需要に合わせて水量を調節する。この方式では、1日~1週間の発電量をコントロールできるようにする。

貯水池式

 貯水池は調整池よりも大きく、雪解け水や梅雨、台風時の出水を溜めておいて需要の大きいときに使う。

揚水式

 発電所で一度使われて、下の貯水池に溜まった水を夜中に火力や原子力エネルギーの電力を利用して上の貯水池に戻して、また必要なときに使う。

特徴

 水力発電は、以下のような特徴を持つ。

<メリット>

・国内に存在するエネルギー源である    火力発電や原子力発電のエネルギー源である石油や石炭・ウラン等は、ほとんど国内では産出されず、輸入に頼っている。しかし、水力発電のエネルギー源は、国内を流れる川の水であり、輸入する必要は全くない。また、石油やウラン等の燃料は、一度使えば無くなってしまうが、水は、使用後は川や海に流し、その水はやがて蒸発して雲になり、上流で雨として降り、また発電に使用することができる。

・クリーンエネルギーである   火力発電では、石油・石炭・天然ガス等の化石燃料を燃やすことで電気を発生しており、化石燃料の大量消費はCO2の増加による地球温暖化や酸性雨が心配されている。水力発電は、CO2等を発生しない為、環境に及ぼす影響も少なく安全でクリーンなエネルギーである。

・すぐに発電できる    火力発電では、原料を燃やして水を加熱し、タービンを回すのに十分な蒸気を発生させると発電できるようになる。発電容量を上げる為、ボイラ内の圧力を高くしてあり、温度が500℃以上の蒸気を使用する発電所が多くなっているが、その分、発電を開始するまでには時間がかかる。原子力発電では、核分裂が連続して起こるようになるまで時間がかかる。  水力発電では、水車に水を送り込めば発電でき、火力や原子力では1時間、2時間と時間単位でかかるのに対し、水力では10分程度で発電できるようになる。そのため、1日の内で時刻による需要の変動に対応して運転・停止するのに適している。

<デメリット>

・発電容量は小さい    火力発電や原子力発電では、ボイラを高圧・大容量にすることで発電容量を大きくすることができ、出力が100万kWを超える発電所も少なくない。しかし、水力発電では、容量を大きくするためには水を落とす高さ(落差)を高くするか水の流量を増やす必要がある。我が国では流量が多く落差が大きな地点が限られていることから、水力発電所の多くは数千~数万kW程度の発電容量しかない。  しかし、揚水式水力発電所では夜間の安い電力でポンプを回して低い所の水を高い所へくみあげることで水の量を増やし、発電容量を大きくしている。揚水式水力発電所の中には出力が100万kWを超える発電所もある。

・自然環境を破壊する一面がある    大規模な発電をする際に周辺の川や近隣の自然環境が壊されることが考えられる。水力発電所は、山地に建設されるため、森林伐採による環境破壊が問題として挙げられる。さらにダムを建設するとなると、ダムに沈むことになる村の立ち退き問題なども浮上してくる。

・発電コストが高い    発電所と都市との距離が遠いため、施設費が多くかかる。


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