遺伝子組換え作物

出典: Jinkawiki

2010年2月9日 (火) 12:40 の版; 最新版を表示
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遺伝子組換え作物

遺伝子組換え作物とは、それまでその作物が持っていなかった遺伝子を作物の細胞に導入し、その細胞を培養することによって作物全体の細胞でその遺伝子が働くようにして、新しい性質をもったものに作り変えた作物のことである。その目的の多くは、農薬の散布量や散布回数を減らすことによる省力化、コストダウンである。  従来の品種改良は交配で行われていたが、遺伝子句組み換え技術によって早く品種が改良でき、さらに種の壁を越えて様々な遺伝子を入れることができるようになった。

 世界で最初に1995年に販売された遺伝子組換え作物は日持ちトマトで、トマトの持つすぐに軟らかくなり痛む性質に着目し、その遺伝子をとめてしまった作物である。そのため、1か月店頭に並べていてもまったく変化しない。

 日本に輸入されている遺伝子組み換え作物の性質は、除草剤耐性と殺虫性の2つの性質で、種類はナタネ、ダイズ、ジャガイモ、トウモロコシ、ワタの5つの作物である。  除草剤耐性の作物とは、特定の除草剤に強い性格を持たせた作物。これを持たせることにより、強力な除草剤1つで作物だけのこり、他の雑草を駆除することができる。殺虫性の作物は、微生物の殺虫成分をつくる遺伝子を細胞の中にいれることで、殺虫剤を入れる必要がなくなり、省力化、コストダウンが図られる。


遺伝子組換え作物の懸念

1 環境への影響

①組み換え作物自体の雑草化

②導入された遺伝子が野生植物に移行すること

③ウイルスの遺伝子の一部を導入した植物が新しいウイルスを誕生させること

④標的ではない他の生物に危険性をもたらすこと 以上のような環境への影響が懸念されている。

2 食品の安全性  遺伝子組換え作物の食品としての安全をチェックするのは厚生労働省で、そのために安全性評価指針がつくられた。しかしこの指針はOECD(経済開発協力機構)の方針である遺伝子組み換え作物が国際間を自由に流通させることを最優先するようにという考え方を受け入れたもので、指針に適合しているからといって、安全とは言えない。

①未知の毒性の発生

②栄養分がない作物の発生

③長期的に継続的に摂取することによる慢性毒性や遺伝毒性

④アレルギーの発生

⑤抗生物質の無効

以上のような食品の安全性が懸念されている。


参考文献

『遺伝子組み換え食品がやってきた』天笠啓祐 監修 芽ばえ社

『世界食糧戦争』天笠啓祐 著 緑風出版


  人間科学大事典

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