ローザのための楽章
出典: Jinkawiki
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~公民権運動のヒロイン ローザ・パークスに捧ぐ~
アメリカの人種差別撤廃運動、公民権運動の母と言われるローザ・パークスをたたえて作曲されたのがローザのための楽章(マーク・キャンプハウス 1954~アメリカ)
曲紹介
1955年、奴隷解放から100年も経ったアメリカで、なんとバスの中では黒人は白人に席を譲らなければならず、拒否すると逮捕されるといった法律があった。その年に白人に席を譲らなかった罪で逮捕された当時42歳の婦人ローザ・パークスの事件はアメリカの黒人を中心に大きな衝撃を与え、これをきっかけにバスボイコット事件、キング牧師宅爆破事件と波紋は広がり、さらにローザ女史は職場をも解雇されるという事態に至る。そんな中、彼女を中心に公民権運動が全米に広がり、白人の協力者も次第に現れ、一年後にはバスの座席隔離は違法という判決を勝ち取り、人種差別撤廃への大きな原動力となった。
曲は3つの部分からなり、第1の部分はローザの出生から結婚まで、第2の部分はバスの中での差別との遭遇とその後の彼女の戦い、第3の部分は静けさの中での彼女の強い意志と平和への願い、以上の部分が連続して演奏される。フォーク・リバイバルの闘志、女性歌手のジョーン・バエズの「ウィ・シャル・オーバーカム」が曲中に効果的に使われている。
ローザ・パークスは2005年10月に死去。
マーク・キャンプハウス
1954年5月3日、アメリカ、イリノイ州オーク・パークに生まれる。ハイスクール時代に奨学金を得て、シカゴ交響楽団の首席トランペット奏者アドルフ・ハーセスから、2年間プライベート・レッスンを受ける。イリノイ州エヴァンストンのノースウェスタン大学に進み、トランペット、作曲、指揮を学び、1975年に学士号を、1976年に修士号を取得。現在はアメリカ合衆国ヴァージニア州のジョージ・メイソン大学の音楽教授。
代表作:ローザのための楽章、夜を守る友、すべて真実のこと、トリビュートなど
最近では、国内プロフェッショナルバンドがファンデーションやシンフォニック・ファンファーレ、シンフォニック・プレリュードといった曲を収録したCDを出している。交響曲も残しているが、この曲は声楽家を必要とすることから、日本では演奏機会に恵まれず、ほとんど知られていないに等しい。氏の作曲は、聞かせどころの山の部分にシャープ系の調、和音を持ってくる。吹奏楽曲ではクライマックスでトランペットのhi-Hを持ってきて曲を華々しくきめる。これが確立された氏のスタイルとなっている。