大老
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大老とは、江戸幕府の役職の一つで、将軍の補佐役、臨時に老中の上に置かれた最高職のことである。
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概説
非常置の職で定員は通常1名。重要な政策の決定にのみ関与し、評定所への出勤や月番などの日常業務は免除されていた。 初期の幕閣では松平定勝や松平忠明・保科正之といった徳川家康の信頼が厚い親族や井伊直孝・酒井忠世などの重臣が元老としての役割を果たしていたが、その役割は大抵ベテランの老中に任せられていた。その意味では譜代大名の名誉職的な意味合いが強い職であったが、酒井忠清・井伊直弼のように自らに権力を集中させる者もいた。 1638年に徳川家光が土井利勝・酒井忠勝を大老に格上げしたのが始まりとされる。その後、徳川家綱の時代に酒井忠清・井伊直澄が就任し、第5代将軍徳川綱吉が任命した堀田正俊の時に最高職としての体裁が整った。 大老に就けるのは主に井伊・酒井・土井・堀田の四家に限定されていた。この四家以外にも譜代10万石以上の大名が任命されることもあったが、大老ではなく大老格と呼ばれた。なお、土井家は土井利勝ただ一人だけが大老に登用されたが、4代目の利久のときに無嗣廃絶となり、7万石在職中に殺害された大老は2人いる。堀田正俊は江戸城内で、従兄弟の若年寄・稲葉正休に殺害された。また、幕末の大老井伊直弼は江戸城桜田門外で水戸藩・薩摩藩の浪士に殺害されている。
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諸藩の大老概要
藩主が幼少のときなどに、藩主を補佐するために設置された非常置の役職。主にこの職名は、会津藩などの親藩の大藩に見ることができる。諸藩に、ほぼ統一的に設置されていたポストではない。
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歴代大老
井伊直孝・酒井忠世・土井利勝・酒井忠勝・酒井忠清・井伊直澄・堀田正俊・井伊直興・井伊直該・井伊直幸・井伊直亮・井伊直弼・酒井忠績
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参考文献
「日本史Ｂ用語集」山川出版社
