不随意運動
出典: Jinkawiki
不随意運動とは
意思とは無関係に生じる不合理な動作・運動のこと。振戦(ふるえ)、ジストニア(筋緊張異常による異常姿勢)、バリスムス(上下肢全体の振回し運動)、アテトーシス(手足、頭などの緩慢な旋回運動)、ミオクローヌス(痙攣的運動)、口ジスキネジー(口周辺部や舌の異常運動)などがあり、発症部位や運動の規則性・強さ・睡眠時の運動有無などによって分類される。身体バランスの調整・運動の円滑化に重要な機能を持つ大脳基底核を中心とした錐体外路が阻害された場合、異常な筋収縮が発生し不随意運動が引き起こされる。脳血管障害やけがなどによる脳機能障害およびその後遺症・パーキンソン病などの疾患・薬物中毒などで現れることが多い。
分類
不随意運動の診断には不随意運動の①出現部位(全身性か部分か)、②起こり方(律動的か否か)、③持続時間(持続性または間欠性)、④大きさ、強さ、速さ、⑤出現の情況(誘発)などが重要な手掛かりになる。不随意運動は通常、睡眠時を除けばかなり持続的にまた、比較的簡単に誘発できるものだが、中には発作性にのみ出現し、通常の間欠期には神経症状をまったく認めない発作性ジスキネジアというものもある。 まず律動性の有無によって分類できる。
1.律動性 振戦
2.非律動性 舞踏運動、バリズム、アテトーゼ、ジスキジア、チック
3、律動性または非律動性 ミオクローヌス、ヒピルキネジー
小児でよく見られる不随意運動は舞踏運動、アテトーゼ、チック、ミオクローヌス、ジストニアの5つである。その他の振戦、バリズム、ジスキネジアも時に見られる。
律動性不随意運動
1.振戦tremor 振戦とは、身体の一部分に起こる規則的・律動的な不随意運動です。屈筋と信筋が反復した往復運動が特徴的である。振戦は起こり方によって3つに分類される。
①安静時振戦
安静時に見られる振戦の典型的なものの代表がParkinson病にみられる振戦である。精神的にも肉体的にも安静にすれば、この振戦は減弱する。したがって睡眠時には振戦は消失する。反対に精神的に興奮したり、不安などがあれば振戦は増強する。 治療は通常、抗コリン薬、ドーパミン作動薬が有効とされている。
②姿勢時振戦
この振戦は一側の上肢に優位にあらわれることが特徴。姿勢時振戦の代表は本態性振戦だが同一ではない。本態性振戦では、暗算負荷などの精神的なストレスでは憎悪がみられないのが特徴である。経過が長期になると、反抗運動や運動過多を伴うといわれている。
③運動時振戦
運動中の起こる振戦の代表は小脳性振戦とされている。運動失調にみられる動揺をいう場合もあるが、これは振戦の定義から外れる。この振戦は時に小脳疾患や脳血管障害などでみられる。