チョムスキー
出典: Jinkawiki
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アブラム・ノーム・チョムスキーとは・・・
アブラム・ノーム・チョムスキーは、1928年12月7日にアメリカのペンシルバニア州フィラデルフィアで生まれた。1949年に学士、1951年に修士、1955年に博士号を取得し、マサチューセッツ工科大学の教授となる。よく、チョムスキーは2人いるといわれているが、言語学者としての一面と社会変革者としての一面をもち、啓蒙思想の伝統の後継者とも言える、今世紀において大変重要な人物である。
生成文法論
チョムスキーは、人間がどのようにして言語の知識や能力を獲得するのかという問いに答える重要な仮説を提唱した。この人間の言語獲得にまつわるチョムスキーの仮説が『生成文法論』であり、生成文法論ではあらゆる言語の初期形態である『普通文法』が生物学的な言語能力の基盤として仮定されている。チョムスキーによれば、人間がどんな母語であっても数年という比較的短期間でその言語体系を習得できるのは、後天的経験(学習経験)に依拠しない『普通文法』が生得的に備わっているからである。生成文法理論では、すべての自然言語の基盤に普通文法があると仮定されているが、普通文法とは簡単に言えば『生得的な言語にまつわる知識・規則』のことである。このチョムスキーが用いた生得的という用語が意味しているのは、言語はすでに完成されていて、子どもも脳の中で話される準備もできてじっと待っているということではなく、子どもは青写真のような遺伝的なプログラムをもっていて、時期が熟した時点でそれを用いるとしている。しかし、この言語発達における環境を二次的なものとみなす考えに対して、人類言語学や、社会学、哲学などのさまざまな方面から言語は社会的文化的事実であるという批判をうけた。
社会評論家としてのチョムスキー
チョムスキーは言語学者である一方で、社会的不正に対して首尾一貫して批判的な評論家として国際的にも有名である。チョムスキーの社会哲学は、概して以下のようなものである。
―権威と権力をもつ機関が、どのようにして人々を統制するか。
―知識人たちが、どのようにして良心や共同体を裏切り、国家権力に役立つために協力してきたか。
また、以下にあげるものがアメリカの外交政策に対する批判から暴露されたものである。
―アメリカの帝国主義的政策が、世界中あらゆるところで繰り広げられてきた暴力的行為。
―「善意がある」「根本的に良心的な」といったアメリカの自己像が世界中で見られるが、実はいかにでっち上げられたものであるか。
―独善的な事実の操作
―アメリカ民主主義の貧困と荒廃
以上のようなことが、チョムスキーによって批判された。特に、2001年に起きた9.11事件では多くの人々がチョムスキーの意見に関心し、知名度があがった。
―参考文献―
『チョムスキー入門』 J・Cマーハ 文 芦村京 訳 明石書店
『チョムスキーの「教育論」』 ノーム・チョムスキー 著 寺島隆吉・寺島美紀子 訳 明石書店
―参考URL―
『N.チョムスキーの生成文法理論と文法の獲得』 http://www5f.biglobe.ne.jp/~mind/knowledge/cogni/cognitive006.html