フェア・トレード
出典: Jinkawiki
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フェア・トレード(公正取引)とはNGO、NPOが途上国の生産者団体と直接取引を行い、生産者が不当な社会的搾取を受けることを防ぐための貿易である。
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概要
商品を適正な価格で買い取るため、生産者も適正な収入を得ることができる。よって自らの力で暮らしを向上させ、自立できるよう支援している。フェア・トレードの主な品目はチョコレート(カカオ)やコーヒー、紅茶などの食品と衣服、手工芸品がある。 生産者の労働や費用の負担に見合った適正な価格で貿易や取引をする方法として、1960年代からヨーロッパを中心に広まっている。フェア・トレードは、生産者に適正な賃金と働く環境を約束し、地域の産業育成や子どもの教育なども支援している。児童労働も厳しく禁止されて、確認もされる。視察による検査をパスした場所のものを使った商品には、「フェア・トレードラベル」が付けられる。
歴史
第二次世界大戦後、東ヨーロッパにいる難民(パレスチナやプエルトリコ)の手工芸品をアメリカの教会が売り始めた。これが、フェア・トレードの起源とされる。その後、オックスフォード飢餓救済委員会(OXFAM・イギリスのNGO)の「ブリッジ計画」(1964年開始)が始まった。ヨーロッパを中心に世界へと広がっていった。現在はフェア・トレードに力を入れる一般企業も増え、たくさんのフェア・トレード商品が販売されている。こうしたフェア・トレード商品を買えば、生産者がその労働に見合った収入を得ることができる。
問題点
フェア・トレードを進めていく上で問題点もある。主なものとして、値段、品質などが挙げられる。現地の生産者団体は雇用を生み出し十分に賃金を払うことを目的としているため、現地の一般の業者に較べて輸出値段は高めになっている。また、大量に輸入できないということもあり、輸入コストが割高になってしまう。品質では、現地の生産団体が小規模で、技術的に未熟であるために、品質に問題がある場合が少なくない。日本の市場で受け入れられるための最低限の品質管理さえ出来ていないものもまだあり、商品の開発・輸入をする日本側フェアトレード団体の課題となっている。
参考文献
『コーヒーと南北問題「キリマンジャロ」のフードシステム』辻村英之 著 日本経済評論社
『フェア・トレード 公正なる貿易を求めて』マイケル・バラット・ブラウン 新評論
『わたし8歳、カカオ畑で働きつづけて。~児童労働とよばれる2億1800万人の子どもたち~』岩附由香・白木朋子・水寄僚子-著 合同出版