マルコムX

出典: Jinkawiki

2011年1月31日 (月) 13:14 の版; 最新版を表示
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1925年5月19日、ネブラスカ州オマハで、アールとルイーズの三男として生まれる。 マルコムXは、1950~60年代に黒人運動の指導者として活躍した人物である。 1946年に白人女性と住居侵入し、盗品を質入れし発覚、逮捕されて有罪判決を受ける。1946年‐52年まで刑務所に服役するが、そこで読書に没頭し、イライジャ・ムハマドの「ネイション・オブ・イスラム」に入会する。 1952年の夏に釈放され、イライジャ・ムハマドからXの名をもらう。 1959年7月、「憎悪が生む憎悪」というテレビのドキュメンタリー番組が放送され、その直後、C・エリック・リンカンの「アメリカのブラック・モスレス」という本が出版された。この二つの出来事の後、メディアで次々とブラック・モスレスについて報道され、ネイション・オブ・イスラムとマルコムXの名は全米中に広がった。 1963年、公民権会議に対抗する北部黒人草の根指導者会議において、「草の根へのメッセージ」を演説。1963年11月のケネディ大統領暗殺について「ニワトリは故郷に帰って雛を孵す」と述べ、ケネディ大統領の選出にあたって黒人票がいかに決定的だったかを指摘し、「ワシントン大行進」ではキングや黒人活動家の最初の企画を台無しにしたことに対し、ケネディを批判する。12月4日、この発言によりイライジャ・ムハマドからネイション・オブ・イスラムの活動を停止するよう言われる。 1964年にネイション・オブ・イスラムとの決別と、新たな組織としてMMI(ムスリム・モスク・インク)の設立を宣言した。 その後、OAAU(アフロ・アメリカン統一機構)の設立。アメリカの黒人の人種差別問題は、アメリカ人の権利の問題としてだけではなくもっと広い人権問題であるという認識をもつ。アメリカ合衆国に対して人権侵害のキャンペーンを張るために7月にアフリカ、中東諸国を訪問し、アメリカの黒人問題を国連で討議するよう支持を訴えた。しかし1965年2月21日にハーレムのオーデュボン・ボールルームで暗殺される。

黒人指導者といえば代表的な人物は、マルコムXとマーティン・ルーサー・キング・ジュニアの二人である。マルコムとキングは同じ黒人指導者であっても違いがあった。キングは政治的であるが、マルコムは単純に「黒人の誇り」の回復を願っていた。マルコムはキングが率いる公民権運動が、「白人のアメリカ社会」への参入を願う卑屈な態度に映り、それはかえって「アメリカの黒人」の誇りを否定していると信じていた。 マルコムとキングを比較するとき、キングは非暴力主義で、マルコムは暴力主義のように言われることも多いが、伝道師になってからのマルコムXは暴力行為に出たことはない。 キングとマルコムは意見が異なってはいたが、敵対関係ではなかっただろうといわれている。キング牧師の夫人コレッタ・スコット・キングによると、マルコム暗殺の頃にはキングはマルコムXの才能を評価していたという。


マルコムX年譜

1925年5月19日 マルコム・リトル,誕生。

1945年‐46年   マルコム,白人女性と住居侵入。逮捕され有罪判決を受ける。チャールズタウン刑務所で服役。

1946年‐52年   服役中,読書に没頭し,イライジャ・ムハマドの「ネイション・オブ・イスラム」に入会する。

1952年夏      釈放され,イライジャ・ムハマドからXの名前をもらう。

1963年       11月10日デトロイト,公民権会議に対抗する北部黒人草の根指導者会議で「草の根へのメッセージ」演説。ケネディ大統領暗殺について 「ニワトリは故郷に帰って雛を孵す」と述べ、この発言でイライジャ・ムハマドから「ネイション・オブ・イスラム」活動停止処分を言い渡される。

1964年       3月8日,記者会見を開き,「ネイション・オブ・イスラム」との決別,新組織「MMI」(ムスリム・モスク・インク)設立を宣言。           OAAU(アフロ・アメリカン統一機構)の設立を宣言。

1965年2月21日 マルコムX暗殺。             (『マルコムX』荒このみ2009 岩波新書 より抜き出して引用)



参考文献 『マルコムX ―人権への闘い』2009 荒このみ 岩波新書 『キング牧師とマルコムX』1994 上坂昇 講談社現代新書


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