ニーチェ2

出典: Jinkawiki

2011年2月4日 (金) 12:14 の版; 最新版を表示
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古代ギリシャ研究から出発したニーチェは、ギリシャ以来2000年にもわたる西洋思想の歴史を根本から見直した哲学者でもあった。見直しの鍵はプラトン批判です。彼はヘーゲルまでの西洋的な考えの中にプラトン思想の展開を見出し、そしてそこに生命力の衰退を感じ取った。 プラトン哲学は、万物を「かたち」が支配するという考えである。イデアという永遠の「かたち」が、天空の彼方から、この世界の現実を決定する。ニーチェの生きた19世紀後半には、このような現実離れした見方がそのまま通用していたのではない。しかしプラトン哲学は形を変えて生き残っているというのがニーチェの考えであった。


目次

プラトンの亡霊

ニーチェは、古代ギリシャからヘーゲルに至るまでの西洋の歴史に、プラトン思想が形を変えて生き続けていることを読み取った。


生命の衰退

「かたち」の支配は生きる「ちから」の枯渇を示している。古代ギリシャ以来の西洋しその歴史とは、生命力が衰えていく過程そのものだ。 もしも人間が「らしさ」なしで生きられるというなら、それは生命力が衰えている証拠である。


生存と認識

生き物が世界を認識するのは、環境の変化を知らねば生存できないからだ。だから認識とは、もともと変化を感じ取ることである。 生物にとっては、認識される世界もまた生きて動いている。

例捕食者と被捕食者の関係。


真理と「ちから」

生命力の衰えた生物は変化に耐えられず、真理のような変化なきものにあこがれ始める。真理と生命の「ちから」は敵同士なのだ。 生きることに疲れた生物は、変化なき世界(真理という永遠の「かたち」)に憧れる。しかし生命力にあふれた生き物は、真理を必要としない。



参考文献


  人間科学大事典

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