人間失格

出典: Jinkawiki

2011年8月29日 (月) 12:39 の版; 最新版を表示
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「人間失格」は小説家太宰治による小説。1948年(昭和23年)6月、「人間失格」の「第二の手記」までを雑誌「展望」にて発表。 太宰は6月13日に玉川上水にて入水自殺。そのため、七月に筑摩書房から刊行されたのも、八月に「展望」での連載が終わったのも太宰の没後ということになる。


目次

概要

「恥の多い生涯を送ってきました」
架空の人物「大庭葉蔵」を主人公とするが、その人生には太宰自身の人生が色濃く投影されていると考えられる部分が多々見受けられる。 太宰の遺書的作品とする見方もある。

あらすじ

はしがき
幼年期、青年期、そして奇怪と称される三葉の写真をみた「私」の感想。


第一の手記
家族に対しても道化であった葉蔵の小学校時代までが描かれる。

第二の手記
中学校、そして父の言葉どおりに高等学校へ進むも合わず、画塾へ通うようになる。
東京を遊び歩き、鎌倉の海で入水自殺未遂を起こす。


第三の手記
鎌倉の事件後、故郷からの繋がりも断たれ、方々を転々とする。
そのなかであらゆる女性の元へ身を寄せるも絶望し、酒と薬に溺れていくようになる。
脳病院に入れられ、世間から「狂人」と認識されたことを知り人間、失格。もはや自分は「人間」でなくなったと自覚した。
故郷に父の死を知ってからは、その恐ろしい存在の「不在」から苦悩する能力を失った。田舎で療養生活を始めるも幸福も不幸も無くなり、 「ただ、いっさいは過ぎてゆきます」という葉蔵にとって唯一の真理に思えたこの言葉を二度繰り返し、手記は締められる。


あとがき
視点は再び「私」へ戻り、手記を手にするまでの経緯やマダムによる葉蔵の様子が語られる。


登場人物


はしがきとあとがきに登場する。葉蔵の幼年期、学生時代、白髪の写真に心をひかれ、マダムから葉蔵の手記を預かる。

大庭葉蔵
東北の裕福な家の生まれ、女性が自然と寄ってくるような美丈夫。幼いころから道化を演じ続けていた。
三葉の写真と三冊のノートに書いた手記を京橋のマダムの元へ送った。その後は不明。

竹一
中学校の同級生。葉蔵の道化を見破った。「お前は、きっと、女に惚れられるよ」と「お前は、偉い絵描きになる」という予言をした。
偉い絵描きには成れなかったが、前者の予言は後年に至って思い知るほどに当たってしまった。

堀木正雄
色が浅黒く端正な顔立ち。葉蔵とは奇妙な交友関係を築く。
「酒」「煙草」「淫売婦」「質屋」「左翼思想」を葉蔵に教えた。

ツネ子
カフェの女給。「身のまわりに冷たい木枯らしが吹いて、落ち葉だけが舞い狂い、完全に孤立している感じの女」と評される。
葉蔵より2つ年上で、故郷は広島。旦那は刑務所にいた。
鎌倉の海で入水、死亡。

ヒラメ(渋田)
書画骨董商、葉蔵の学校の保証人であった。

シズ子
雑誌記者。痩せていて背が高い。夫と死別しており、5歳の娘と高円寺のアパートに住んでいた。

シゲ子
シズ子の娘。母の仕事中の遊び相手ができたと葉蔵に懐いていた。こだわりなく葉蔵のことを「お父ちゃん」と呼んでいた。

マダム
京橋のバーのマダム。突然転がり込んできた葉蔵を優しく迎え入れた。義侠心のある女性。
葉蔵から送られてきた写真と手記を「小説の材料になるかもしれない」と「私」に渡した。

ヨシ子
バーの向かいの小さな煙草屋の娘。色が白く八重歯がある。葉蔵の内縁の妻となる。「信頼の天才」と言われるほど、純粋無垢。


参照元

太宰治 「人間失格」
Wikipedia


HN:M.Y


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