生活綴方教育とフレネ教育
出典: Jinkawiki
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綴り方教育とは
1910年代に入る前後のころ以降日本に現れた,子どもの生活全体の指導を目的とする教育方法,もしくはその指導過程に生まれる子どもの文章表現の作品をいう。その方法は二つの部分からなる。まず、子どもたちに自分の生活に取材した文章を自分のことばでありのままに書かせるが,そのための取材,構想,記述,推敲の各過程における、文章表現の各〈形体〉ごとの指導がある。子どもに生活綴方を書かせていくと,指導の深まりの違いに応じて〈過去形表現〉〈現在形表現〉〈総合的表現〉〈概括的表現〉などとよばれる子ども特有の文型が段階を追って現れ、これに固有の指導方法が必要になる。これが各〈形体〉ごとの指導である。こうしてできた子どもの文章(生活綴方)を文集に編集し,学習集団であると同時に生活集団でもある子どもたちの級,学年その他の日常の人間関係の場に、直接にあるいは文集交換という間接の方法でもちこむ。そして、そこに収められている生活綴方の作品を、みんなで声を出して読みあい・聞きあい、その内容を自由に討論しあう。その結果として進む子どもの認識と感性の発達、人間関係の転換などの成果は、つぎの段階の部分に循環し,生活を表現する力に生かされていくことになる。
生活綴り方のはじまり
当時の教師たちの関心は、子供たちの貧困からの脱出であった。もうひとつは戦後日本の新しい政治的および道徳的価値の形成、浸透、定着である。権威主義からの解放、民主主義的関係の獲得、日本人としてのアイデンティティの形成などである。
期待された可能性(国分氏)
①子供たちの感覚のはたらきを大切にすること
②現実を具体的につかませ、そこから真実をえり分けさせることを大切にするリアリズムの方法・態度を身につけること
③子供たちの発表=表現を大切にすること
④学習でもそのかたわらに、かならず具体的事実を持ってくるように努力し工夫すること
⑤子どもたちの認識の発達のすじみちを追いながら育てていこうとすること
⑥ひとりひとりを、同じ生活者である子どもたちの集団の中に結びつけ、連帯的な気持ちを育てること
⑦子どもたちの物の見方や考え方・感じ方を、地味にたくみに、根気強く前へと成長させていくこと
現在 作文教育や生活日誌などに応用され、日本の国語教育を構成している。
フレネ教育との違い
似ているといわれるフレネ教育と生活綴方教育の違いを3点あげる
①「生活勉強」の学びか、生活を「自分の仕事」として学ぼうとしているか 日常生活の中で問いを考え、答えを表現していくという形は似ている部分があるが、フレネ教育は自由研究といって自分の調べたいことを発表するというスタンスであり、自分に合った問いと答えの表現をすることができる。
②「教師」中心に書かれているものか、「読み手」に対して書かれているものか。 教師中心に書かれ、添削される日本の形式では、教師の判断にゆだねられる内容となる。フレネ教育では、教師は学級の一員である大人という位置づけであり、社会的、家庭的生活ついて異なることを指摘する存在である。
③文集が「綴方教師同士」の交流が主であるか、「子ども同士がもっと意見に触れたいという自然な感情」による交流であるか。
参考文献
生活綴方教育 http://cert.shinshu-u.ac.jp/gp/el/e04b1/class09/seikatutsudurikata.htm
生活綴方全盛時代 http://www.wako.ac.jp/human/kiyo/file/kiyo1-03.pdf
フレネ教育 生活表現と個性化教育「佐藤広和」