フィンランドの教育3

出典: Jinkawiki

2012年2月8日 (水) 12:39 の版; 最新版を表示
←前の版 | 次の版→

フィンランドの教育


―平等で公平な教育・教員資格は修士―


 フィンランドは2000年および2003年に行われたOECD(経済協力開発機構)の15歳児を対象とした学習到達度調査で優れた成績をおさめ、義務教育を成功させている国として注目を集めています。まず国家予算のトップは福祉予算であり、その次にくるのは教育予算で、国家予算の約16%(対GDP比4%)を占めています。フィンランドの教育は「公平性」と「平等性」が重要で、国民に対して平等な教育の機会を与えています。義務教育は9年間すべての子どもが均等な教育を受ける権利を法律で決めています。それは全国レベルでの平等というだけでなく、学内でもすべての子どもが同じレベルに到達するような手立てをする。つまり、子ども一人一人が理解の得られる授業になっているか、もし理解にバラツキがあるときは学校で補習授業をします。学校での補講は珍しいものでも恥ずかしいものでもなく、家族が学校と協力して、すべての子どもが同じレベルに到達できるようにする。落ちこぼれをなくしていく教育のやり方で、フィンランドでは早期から子どもをレベル分けせずに15歳から16歳までに、すべての子どもが同じレベルに達することに焦点を置いて教育をしています。そのような子どもたちを育てるには、やはり何といっても教師のレベルの高さが不可欠です。教員資格は修士号を必要とし、学級担任の先生も教科担任の先生もすべて修士号をもっています。専門分野の専門性だけでなく、学級担任として必要な養成課程も経た上で修士号を持ち、また教員の現職研修も行っています。言語が異なるので、読解力の比較は難しいが、トップのフィンランドは独特の方法で国語教育を行って効果を上げており、フィンランド・メソッド として日本でも紹介されています。 日本の教育に欠けている「思考力、表現力を鍛える(中級レベルの)訓練」が重視されています。


―フィンランド・メソッド - 国語力の鍛錬 ―


●鍛えるべき5つの能力

1、発想力

2、論理力

3、表現力

4、批判的思考力

5、コミュニケーション力

●具体的内容

・カルタ(マインドマップやメモリーツリーとまったく同じ)を作る集団授業。

・なんで?どうして?を連発。子供が答えられなくても気にせず聞きつづける。

・母国語を外国語のように教える。

・いくつかの単語から、作文をする授業。

・フォーマットに従った作文授業(決して自由にかかせない)

・「何がどうした」を考える、カルタと組みあせた作文授業

・算数の文章題を国語の選択肢問題にする(解答するために必要な情報だけ抽出する力)

・4-5人制で、作文の作成者を一人決め、その子が作った作文について、他の3人-4人が『いいところ』と『悪いところ』を10個づつ挙げ、修正していく。それを更に他のグループと交換して行う。

・誰か1人が班長となって進め議論に必要なルールや決まりごとを、子供たちで作っていく。

●効果・目的

・『意見には理由をつける』ことを学ぶ。

・周到な論理を構築しても、それを的確に表現できなければ、相手に伝わらないことを学ぶ。

・自分発のなんで?ではなく、相手がなんでそう考えたのか?を考えられるよう育成する。


<参考資料> http://uminaibi2.exblog.jp/m2006-03-01/#3417608

http://stone.dialog.jp/voice/view/1496


投稿者 Toy


  人間科学大事典

    ---50音の分類リンク---
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                          
                  
          

  構成