基本的人権 1

出典: Jinkawiki

2012年2月10日 (金) 18:09 の版; 最新版を表示
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1:基本的人権 基本的人権とは、憲法第11条で、侵すことのできない永久の権利であると定められている。また、憲法12条では、普段の努力によって保持しなければならなく、権利の乱用の禁止が定められている。さらに、憲法13条では、個人として尊重されるとなっている。

2:基本的人権の種類 ① 平等権・・・差別されない権利 ② 自由権・・・自由に生きる権利 ③ 社会権・・・人間らしい最低限の生活を国に保障してもらう権利 ④ 請求権・・・きちんと基本的人権が守られるように国にお願いする権利 ⑤ 参政権・・・政治に参加する権利

2:平等権 平等権とは憲法14条で「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分または門地により、政治的、経済的または社会的関係において、差別されない。」と規定されている。 だが、差別の問題は、男女差別・部落差別・障害者への差別・在日韓国人、朝鮮人への差別・アイヌ人への差別など、数多くある。 また、平等権をめぐった裁判も数多くある。 ①尊属殺重罰規定違憲判決 父親に性的暴行を受け、5人の子どもまで産まされた娘が父親を殺害した事件。当時の刑法には、尊属(目上の親族)を殺害した場合のみ通常の殺人より刑が重くなる規定があったが、人命の重さを差別するのは憲法14条の平等権に違反するとして、刑法200条が違憲判決をうけた。 ②衆議院議員定数訴訟 衆議院議員の選挙で、都市部と地方で一票の格差がありすぎるのは憲法14条の平等権に違反するとして、裁判の無効を訴えたもの。

3:自由権 自由権は大きく分けて三つに分類される ① 精神の自由…個人の考えなどの自由。 思想・良心の自由・信教の自由など。 ② 身体の自由…政府により、体を傷つけられない自由。とくに逮捕、裁判における権利。         奴隷的拘束・苦役からの自由・法定手続きの保障など。 ③ 経済活動の自由…財産などに関する自由。 職業選択の自由・財産権の保障など。

精神の自由に関する裁判 ① 三菱樹脂事件 学生時代の社会主義運動を理由に会社の採用を取り消された事件。 憲法19条の思想の自由が企業により侵害されたという訴えであったが、企業にも「雇用の自由」があるという理由で、原告の訴えは認められなかった。 ② 津地鎮祭訴訟 市立体育館工事の安全を願う行事に、市が特定の神社に謝礼金7000円を公金から支払ったことは、憲法20条の信教の自由の政教分離の原則に違反するのではないかという事件。この行事は安全を願うものであり、宗教活動というほどのものでもないので、訴えは認められなかった。 ③ 愛媛玉ぐし料訴訟 愛媛県知事が県の税金から、靖国神社(戦前の軍国主義のシンボル)に玉ぐし料約16万円を寄贈したことは、憲法20条の信教の自由の政教分離の原則に違反するのではないかという事件。 靖国神社は特別な神社であり、この神社への税金からの寄付は国民や外国からの反発も強いので、訴えは認められ、県知事の行為が違憲判決。県知事は県に玉ぐし料を返却。

経済活動の自由に関する裁判

① 薬事法事件 新たに薬局を開設しようとしたところ、薬事法の半径100m以内に2軒以上の薬局を開設してはいけないという規定から、許可が下りなかった。薬事法のこの規定は、憲法22条の職業選択の自由に違反するとして、違憲判決を受け、薬局の開設は認められた。

② 共有林分割訴訟 他人と共同所有する森林を売却しようとしたところ、自分の持ち分が50%以上でないと自由に売却できないという森林法の規定から、売却することができなかった。自分の財産である森林を自由に処分できないのは憲法29条の財産権の規定に違反するとして、違憲判決を受け、森林の売却は認められた。

4.社会権 国に人間らしい最低限度の生活を保障してもらう権利。日本国憲法では大きく分けて3種類の社会権を保障している。 ① 生存権・・・人間らしい最低限度の生活を国に保障してもらう権利。 ② 教育を受ける権利・・・社会で生きていくための必要最小限の知識や能力を教育しても らう権利 ③ 労働基本権・・・生活していくための仕事を与えられ、人間らしい労働環境で働く権利。

生存権は憲法25条に「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障および公衆衛生の向上および増進に努めなければならない。」と規定している。

社会権に関する裁判 朝日訴訟 肺結核で入院中の朝日茂氏が、国からの生活保護月600円(約50年前)は、憲法25条で保障する最低限度の生活を保障できていないとして、訴えを起こした事件。憲法25条の生存権は国の目標を示しているだけであり、生存権をめぐって国民が裁判に訴えることはできない(プログラム規定説)として、訴えは認められなかった。

5 参政権・請求権 基本的人権を守るための権利として、参政権と請求権がある。参政権とは政治に参加する権利である。日本は間接民主制の国だが、日本国憲法には国民が直接自分たちの意見を政治に反映できる直接民主制の制度を規定している。 ① 最高裁判所裁判官の国民審査。 ② 特別法の制定。 ③ 憲法改正の国民投票

次に、請求権だが、これは憲法で権利を保障している中でも、権利を侵害されている人達を助けるために保障されているものである。 ① 請願権・・・国や地方公共団体に意見や苦情を訴えることができる権利。 ② 裁判を受ける権利・・・裁判によって問題を解決してもらう権利。 ③ 国家賠償請求権・・・公務員のミスにより被害を受けた場合、お金による保障を受け取 ることができる。 ④ 刑事補償請求権・・・無罪なのに裁判にかけられた場合、無罪が確定した時点で、お金 による保障を受け取ることができる。

参考文献 政治経済塾 http://www.geocities.jp/ttovy42195km/sub2.html (2012・2・9 閲覧)


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