風評被害
出典: Jinkawiki
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根拠のないうわさによって被害を受けること。福島第一原発の事故では、福島県周辺でとれた農海産物に放射性物質に汚染されたイメージがつき、問題がないものまで売れなくなり、価格が暴落するなどの被害が出た。来日する外国人観光客の減少も深刻だ。また、地震や津波で発生したがれきも放射性物質が含まれているとして各自治体が引き取りを拒否するなど、災害の復興にも影響が出ている。
また逆に、災害、事故、虚偽の報道や根拠のない噂話などによって、本来は直接関係の無い他の人達までが損害を受ける事。というのは建前で、このことばが使われるとき、実際は根拠のある被害を誤摩化し、被害者への同情を、無知な人たちから集めている場合が多い。因果関係を考えるのに疲れた人たちが使う便利な言葉という意見もある。
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発生のメカニズム
まず順序としては、人々がイメージ的に不安に思ってしまうだろう、もしくは商品を購入しないであろうというように、市場関係者が感じてしまっているときには、市場においてすぐに取引拒否であったり、価格が大幅に下落してしまうなどの直接的な経済被害が出てしまう。 そして、この経済被害であったり、人々の悪評といったものを政治家が想像し、それをまた評論家なども同じようにイメージしていく。 それによって、経済的被害であったり、政治家が持っている認識、そしてそれによって人々の悪評がマスコミに取り上げられ、社会的に認知されることによって、これが風評被害となってしまう。 そして、マスコミによる報道はどんどん増えていき、世間の人々が、それら対象物を忌避していくような消費行動になっていく。政治家などが想像していた、人々がこういった心理状態になるだろう、もしくは消費行動になるだろうといったことが実態になっていくことによって、風評被害は現実のものとなってしまう。
東日本大震災における風評被害
・福島第一原発の爆発事故による放射能漏れをおそれて、原発から30km以上離れた被災地において、ドライバーによる救援物資
の配送拒否が相次ぎ、物資が一向に届かない事態が起こった。
・福島、茨城、栃木、群馬などの地域で採れた野菜に対し、放射性物質による出荷停止措置を受けていないものまで、小売業者
が敬遠し、返品されるなどの被害があった。
・福島県からの避難民が宿泊施設で受け入れを拒否された。拒否理由は放射能の影響への懸念だと思われる。
・避難民がタクシーに乗車しようとしたところ、放射能被害を恐れた運転手が乗車拒否する事態が起こった。
・外国人観光客のキャンセルが相次ぎ、直接地震との関係がない九州などでも旅館へのキャンセルが増加した。
・鋼材の輸出に関しても、風評被害が出ていると報告されている。
風評被害を受けている主なもの
(摂取制限とされた後に放射性物質の暫定基準値を下回った、安全とされる食べ物。※基準値を超える放射性物質が検出された野菜などの出荷停止について、その後の検査で3回連続で基準値を下回った場合に解除する方向だそうだ。)
・ほうれん草
・キャベツ
・魚介類
・牛乳
・米
・鋼材輸出
・工業製品、衣類、紙製品
風評被害を防ぐための情報の正しい集め方
他人から聞いたことを真に受けるのではなく、自分自身で調べる努力をする。特に、チェーンメール等で情報が回ってきた場合、他の人に誤った情報を流してしまわないように、より注意が必要。 自分で情報を集めたり、調べたりする際、インターネットの検索エンジン(Google、yahoo等)を用いたり、yahooニュースの記事を参考にしたりするのがお勧めである。 ブログなどの情報は個人から発信されたもので、信頼性が比較的低いと考えられるので、記載されたものを真に受けず、複数のサイトから情報収集することで、情報の正確性を追求するべき。
参考文献:
月刊ジュニアエラ1月号
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C9%F7%C9%BE%C8%EF%B3%B2
http://www.raginpit.com/huuhyouhigai/kihon03.php
http://matome.naver.jp/odai/2130188711968719901
http://higashinihondaishinsai.web.fc2.com/huuhyouhigai.html
HN.K