ベトナム戦争について
出典: Jinkawiki
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ベトナム戦争は20世紀後半にアメリカが経験した戦争の中でも、とりわけ凄惨でなさけ容赦のない戦いとして特筆されている。しかしこの戦いによりアメリカは世界に君臨する超大国としての威信を根底から揺るがすほどの敗北・挫折を味わった。戦争の舞台はインドシナ半島東部のジャングルの中。アメリカ軍はジャングルの奥地にある敵の陣地を根絶しようと対ゲリラ作戦を繰り返し試みるも、死傷者の数がどんどん増えていくことに国民からの反発を受け、アメリカ軍は撤退を余儀なくされることとなった。ベトナム軍の勝因となったゲリラ戦は、木々の生い茂るジャングルの中に身を隠して、アメリカ軍が攻め入ってきたところに罠や死角からの見えない攻撃をしかけるものである。ベトナム軍は戦闘中にゲリラ戦だけでなく、純軍事作戦に対応すべく、アメリカの兵器技術を盗むなどして兵力を増大させていった。アメリカがベトナムと戦争をする理由は、東西冷戦の勃発にある。このころソ連や中国などでは大型原子力爆弾実験の成功や、中国全土の共産主義国家の成立などの背景があり、自由主義勢力のリーダーとしての危機感によるものであった。アメリカはベトナム統一による共産主義化を阻止して、共産主義勢力の拡大を止めることがこの戦争の最大の目的であった。アメリカはその後北ベトナムへの爆撃開始をはじめ、ラオスへの軍事介入、解放戦線ゲリラの軍事力を低下させるため北ベトナム周辺諸国への物資輸送路の切断などを行った。こうしてアメリカ軍は自国の勝利を確信するのだが、北べトナム軍は退却する兆候を見せず、ジャングルの中に敵か味方かもわからないように潜み続けた。結局死傷者ばかりが増える戦争をこれ以上続けることは無意味とし、アメリカ軍の撤退という形でこの戦争は幕を閉じた。当時のアメリカ軍将校はこの戦いを次のように回想している。 誰が敵で、誰が味方なのかまったくわからなかった。22歳か23歳くらいの女性がいたとしよう。彼女は彼かもしれないが、アメリカ兵が小道を歩いて行って、地雷で死ぬか負傷するのを見ている。彼女は地雷がそこにあるのを知っているのに教えはしない。あるいは彼女自身がそれを仕掛けたのかもしれない。周りは敵だらけだった。
ここにアメリカの歴史上最も長い戦争の幕が閉じた。
参考文献:歴史で読み解くアメリカの戦争:学習研究社:2004年3月30日発行 :アメリカの小学生が学ぶ歴史教科書:ジャパンブック:2005年2月2日発行
ハンドルネーム:くろすけ