ブロック経済
出典: Jinkawiki
ブロック経済とは、自国と友好国を「ブロック」として、関税障壁を張り巡らし、他のブロックへ需要が漏れ出さないようにした状態の排他的な経済体制。 各国が世界恐慌の影響をなるべく最小限に食い止めようとして行った対策である。
一般的には、自由貿易の下では、自国の内需が拡大する場合、輸入も拡大する。しかし、関税障壁を高くすると、輸入を通じて外国へ漏れる需要が減少し、国内生産を保護・増大させる効果がある。ただ、輸入の減少は、他国にとっては輸出の減少となり国民所得を減少させる。国際分業がおこなわれている状況で、特定国がこの政策を採用すればそれ以前の国際分業体制が崩れるため、世界経済全体が非効率になる可能性があり望ましい状態ではない。
1929年秋、世界恐慌が発生すると、各国は金本位制を放棄した。 1930年代、各国は植民地を抱え込みブロック経済化を進めた。それぞれのブロックは通貨圏ごとに分かれた。 スターリングブロック(イギリス・ポンド圏) フランブロック(フランス・フラン圏) ドルブロック(アメリカ・ドル圏) 円ブロック(日本・円圏)
アメリカやイギリス、フランスでは、本国と植民地をひとつのブロックとして、他国の侵入を拒み自国の生産物、経済を守ろうとした。しかしこれは、植民地に従属を強制した一方的なものであった。ブロック経済からはずれた国々では、世界恐慌の影響を避けることができずより深刻な事態に陥ってい く。このことが、第二次世界大戦を引き起こした要因のひとつといわれている。
引用 「日本資本主義と植民地経済-貿易面から見た特質」堀和生 著 「國際経済の論理と問題」谷口吉彦 著
ハンドル名 豆蔵