伊坂幸太郎

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目次

概説

日本の小説家。独特の世界観を持つ作風で近年人気を集めている。

経歴

千葉県松戸市出身。千葉県立小金高等学校、東北大学法学部卒業後、システムエンジニアとして働くかたわら文学賞に応募、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。その後作家専業となる。宮城県仙台市在住。
2002年の『ラッシュライフ』で評論家に注目され始め、直木賞候補になった2003年の『重力ピエロ』で一般読者に広く認知されるようになった。それに続く『アヒルと鴨のコインロッカー』が第25回吉川英治文学新人賞を受賞した。
2003年『重力ピエロ』、2004年『チルドレン』『グラスホッパー』、2005年『死神の精度』、2006年『砂漠』で直木賞候補となる。また本屋大賞において唯一第1回から第4回まですべてにノミネートされ、2008年の第5回に『ゴールデンスランバー』で同賞を受賞した。同作品で第21回山本周五郎賞も受賞した。なお同作で直木賞の選考対象となることを「執筆に専念する」ことを理由に辞退している。

受賞歴

1996年 - 第13回サントリーミステリー大賞佳作(『悪党たちが目にしみる』、大幅に改訂されて『陽気なギャングが地球を回す』として祥伝社から出版)
2000年 - 第5回新潮ミステリー倶楽部賞(『オーデュボンの祈り』)
2004年 - 第25回吉川英治文学新人賞(『アヒルと鴨のコインロッカー』)
2004年 - 第57回日本推理作家協会賞短編部門(『死神の精度』)
2006年 - 平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門
2008年 - 第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞(『ゴールデンスランバー』)

作風

多くの作品間で舞台設定、登場人物や事件などのリンクがあったり、同名でありながら違うキャラクターとして複数の作品に登場する人物もいるなど、島田荘司らの作品からの影響を多く受けており、多数のインタビューにて「島田作品はとても好きですね。島田荘司さんがいなかったら、プロの作家になろうなんて思わなかったような気がします」と語っている。

作品

小説 [編集]

オーデュボンの祈り(2000年12月 新潮ミステリー倶楽部 / 2003年12月 新潮文庫)
ラッシュライフ(2002年7月 新潮ミステリー倶楽部 / 2005年5月 新潮文庫)
陽気なギャングが地球を回す(2003年1月 祥伝社ノン・ノベル / 2006年2月 祥伝社文庫)
重力ピエロ(2003年4月 新潮社 / 2006年7月 新潮文庫)
アヒルと鴨のコインロッカー(2003年11月 東京創元社 / 2006年12月 創元推理文庫)
チルドレン(2004年5月 講談社 / 2007年5月 講談社文庫) 
グラスホッパー(2004年7月 角川書店 / 2007年6月 角川文庫)
死神の精度(2005年6月 文藝春秋 / 2008年2月 文春文庫)  
魔王(2005年10月 講談社 / 2008年9月 講談社文庫)  
砂漠(2005年12月 実業之日本社 / 2008年8月 Jノベル・コレクション / 2010年7月 新潮文庫)
終末のフール(2006年3月 集英社 / 2009年6月 集英社文庫)  
陽気なギャングの日常と襲撃(2006年5月 祥伝社ノン・ノベル / 2009年8月 祥伝社文庫)  
フィッシュストーリー(2007年1月 新潮社 / 2009年11月 新潮文庫) 
ゴールデンスランバー(2007年11月 新潮社/2010年12月 新潮文庫)
モダンタイムス(2008年10月 講談社/2011年10月 講談社文庫) 『モーニング』連載時の花沢健吾による挿絵が収録された特別版も同時刊行
文庫版は上下巻構成の2冊で刊行

あるキング(2009年8月 徳間書店)
SOSの猿(2009年11月 中央公論新社)
オー! ファーザー(2010年3月 新潮社)
バイバイ、ブラックバード(2010年6月 双葉社)
マリアビートル(2010年9月角川書店)
PK(2012年3月 講談社)  
夜の国のクーパー(2012年5月東京創元社)

単行本未収録作品・連載中作品

連載 ガソリン生活(『朝日新聞』)
単行本未収録 悪党たちが目にしみる(第13回サントリーミステリー大賞佳作受賞作、のちに全文改稿され『陽気なギャングが地球を回す』として出版)
書店にまつわる小噺あるいは、教訓の得られない例話(『キノベス!2003』)
定規(『アヒルと鴨のコインロッカー』ネットサイン本通販特別付録)
ギア(『エソラ』vol.3 2006/4)
アイネクライネ(『papyrus』vol.11 2007/4)
ライトヘビー(斉藤和義のCD『君は僕のなにを好きになったんだろう/ベリーベリーストロング~アイネクライネ~』特典)
ブギ(『エソラ』vol.4 2007/7)
マリアビートル・イントロダクション(『野性時代』2007年11月号)
首折り男の周辺(『Story Seller』2008 Spring)
検問(『小説新潮』2008年7月号 ザ・ベストミステリーズ2009に収録)
合コンの話(『Story Seller vol.2』2009 Spring)
ギブ(『エソラ』vol.7 2009/4)
ついてないから笑う(『ダ・ヴィンチ』2010年3月号)
濡れ衣の話(『小説新潮』2010年7月号)
クリスマスを探偵と(『文藝別冊 伊坂幸太郎』)
タキオン作戦(『紡』vol.1)
相談役の話(『幽』vol.14)
小説新潮の話(『小説新潮』2011年1月号)
ドクメンタ(『GINGER L。』2011 SPRING 02)
僕の舟(『小説新潮』2011年12月号)
死神の浮力(『別冊文藝春秋』2012年1月号)冒頭のみの掲載。単行本刊行予定
AX(『野性時代』2012年1月号)

アンソロジー

ザ・ベストミステリーズ2003 推理小説年鑑(「チルドレン」を収録、2003年7月25日、講談社、ISBN 9784061149045)
ザ・ベストミステリーズ2004 推理小説年鑑(「死神の精度」を収録、2004年7月9日、講談社、ISBN 9784061149052)
ザ・ベストミステリーズ2005 推理小説年鑑(「死神と藤田」を収録、2005年7月11日、講談社、ISBN 9784061149069)
ザ・ベストミステリーズ2006 推理小説年鑑(「死神対老女」を収録、2006年7月10日、講談社、ISBN 9784061149076)
ザ・ベストミステリーズ2009 推理小説年鑑(「検問」を収録、2009年7月8日、講談社、ISBN 9784061149106)
ああ、腹立つ(エッセイ「映画館は平和だ」を収録、2004年10月1日、新潮文庫、ISBN 9784101201221)
事件を追いかけろ(「バンク」を収録、2004年12月20日、カッパ・ノベルス、ISBN 9784334075996)
I love you(「透明ポーラーベア」を収録) 2005年7月、祥伝社、ISBN 9784396632519
2007年9月5日、祥伝社文庫、ISBN 9784396333751

殺人の教室(「チルドレン」を収録、2006年4月15日、講談社文庫、ISBN 9784062753791

Re-born はじまりの一歩(「残り全部バケーション」を収録、2008年3月19日、実業之日本社、ISBN 9784408535258)
蝦蟇倉市事件1(「浜田青年ホントスカ」を収録、2010年1月29日、東京創元社、ISBN 978-4-488-01735-4)
NOVA 5(「密使」を収録、2011年8月5日、河出文庫、ISBN 9784309410982)
Happy Box(「weather」を収録、2012年3月8日、PHP研究所、ISBN 978-4569802947)
しあわせなミステリー(「Bee」を収録、2012年4月9日、宝島社、ISBN 978-4796697903)
あの日、君と Boys(「逆ソクラテス」を収録、2012年5月18日、集英社文庫、ISBN 978-4087468304) 

エッセイ

3652 伊坂幸太郎エッセイ集(2010年12月新潮社)
仙台ぐらし(2012年2月 荒蝦夷)

その他

絆のはなし―伊坂幸太郎×斉藤和義(対談集、2007年10月10日、講談社、ISBN 9784

参考


  人間科学大事典

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