オランダの個別教育

出典: Jinkawiki

オランダの個別教育

オランダの個別教育は、日本でイメージするようなマン・ツー・マンの個別指導だけではなく、個別指導のほかに、自立学習や、共同学習が大きな役割を果たしていている。 個別教育のためには、ある程度の学級の縮小は必要であるようだが、個別教育はそれだけで成り立つものではない。 実際に、オランダの小学校では、ここ数年の間に学級規模の縮小が進められいるが、低学年のクラスでは、２５人以下、高学年のクラスの場合は、２５～３０人くらいが普通である。 それでも、日本に比べて極端に小さな学級なわけではない。しかし、これだけの規模の学級でも、オランダでは、様々な工夫により、子どもたちの個性や能力、 進度に合わせた個別教育が出来るような環境を作り出している。 そして、個別教育を可能にしているのは、一人ひとり、または数人の子供に対して行う「個別指導」だけでなく、先ほど述べた「自立学習」や「共同学習」を授業の中で上手に組み合わせているからなのである。

日本の場合

日本の学校では、画一的な一斉教育がほとんどである。先生が教壇に立ち、そちらを向いて並べられた机に座る子どもたちに向かって授業をする。 日本の教育は、個々の子どもに「合わせる」ということが難しい。画一的な教育では、子どもの個性に合わせることが出来ない。 子どもはそれぞれ体格が異なるように、勉強においても、得意とするもの、苦手なものが異なる。個々の子供には個性があって当然なのである。 しかし、日本の教育では、子どもの個性に合わせた教育ではなく、平均的な子どもの成長に合わせてカリキュラムが組まれている。 そして、先生が子どもたちに一斉に行う教育方法では、子どもたちのそれぞれに異なる進度に合わせることも出来ない。 早く理解できる子どもは時間をもてあまし、理解に時間がかかる子は授業についていけなくなってしまう現状がある。

参考文献

子どもの力を引き出すクラス・ルールの作り方 (ナツメ社教育書ブックス) 伊垣尚人著

オランダの個別教育はなぜ成功したのか [オンデマンド (ペーパーバック)] リヒテルズ・直子

編集者HY